ケアマネの困難事例。よくある8パターンを知っておこう

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困難事例対応

ケアマネとして、たくさんのケースを担当しているとほとんどのケアマネがそのうちの1つか2つに「このケース大変だな~」と思う事ってありますよね。

いわゆる「困難事例」というやつですが、この定義というのは曖昧で「この3つの条件にあてはまるものを困難ケースとします」みたいな決まりはありません。

なのでここでは「ケアマネが支援に困難さを感じたら困難ケース」というザックリとした定義で考えていただけたらと思います(笑)

今回はケアマネが困難さを感じやすい8つのパターンについてまとめてみました。

①独居、老夫婦

身内にしっかりとしたキーパーソンがいない事が要因で、様々な面で困難さが発生します。

・まるでケアマネジャーが家族のように各関係者から連絡がきたり、決定を委ねられる。(例:病院から手術の同意書にサインしてくれと言われる等)
・家族による介護の期待できる範囲が狭い為、ケアマネジャーがフォローする範囲が広い   (例:ショートステイ前に、泊まる日数分のお薬の用意を手伝う等)
・そんな事が続いて「自分がなんとかしなければ」とケアマネジャーが抱え込みやすく、バーンアウトしやすい

上記のような特徴があります。

②認知症がある

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認知症は、ケア自体に高い専門性が必要なうえ、BPSD等が発生している場合はさらに困難さが増してきます。

進行性であることや、症状による生活リスク(転倒、食事をきちんと食べなくなる、薬が指示通り飲めない、閉じこもりがちになる、お金の管理、詐欺などの被害  等)をどうしていくか、ケアマネの頭を悩ませる点も多いです。

・家族が本人の認知症を認めないため効果的な支援につなげにくい
・本人の意思表示が困難な場合など、家族の意向のみのプランになりやすい
・介護負担軽減の為、ショート等のサービスを導入したいが、本人が頑なに拒否する
・独居などの場合失火などがあれば、地域住民から理解を得るのが難しく自宅での生活が困難になる

③家族の存在

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家族が生む困難で最も多いのは本人と家族の意向の違い

よくあるパターンとして本人は自宅での生活を希望しているが、家族は施設へ入所させたがっているというものです。

このような時本人と家族の板挟みになって、ケアマネジャーとしてどのような立ち位置で関わればいいのか分からず、強いストレスを感じやすいです。

また威圧的な家族などが本人が拒否しているにも関わらず、「デイサービスに毎日行かせるようにしろ。できないのなら自宅では生活させない、施設に入れる」と言う家族などもいて、対応に困る事があります。

④要求や苦情の多い利用者、家族(クレーマー系)

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・ヘルパーに草むしりを頼む、何度制度の内容を説明しても納得してもらえない。等
・休日や深夜にも関わらず苦情や説明要求がくる
・要求過多、無理難題、気難しい性格、クレームが多い

ケアマネ自身がストレスを感じやすいパターンの一つです。ケアマネと言えど人間ですから、どうしても相性の問題などもあって、合わない相手だと上手くいかない事もあります。

こういったクレーマー系の人の対応方法が分からず、その結果支援がどんどん行き詰まって困難ケース化するパターンはよく見られます。

⑤必要な支援(サービス利用や受診など)の拒否

誰が見てもサービス利用等支援の必要性があるのに、それを受け入れようとせず状態が悪化していくケースです。

ケアマネからすると、サービス利用の必要性が明らかなのに傍観するしかなく、もどかしさや辛さを感じてストレスになります。

またこのパターンは周囲の関係者などに「ケアマネは何をしているんだ!?」等の目で見られ、批判のターゲットにされて理解を得られない事にもしんどさを感じる要因になります。

⑥医療依存度が高い

ケアマネ、特に福祉系ケアマネはただでさえ医療分野が苦手なのに、さらに在宅で難病やターミナルなど、高度な医療的管理が継続的に必要、状態の急変しやすい人の支援は困難を感じやすいです。

こういった利用者は、地域の受け入れてくれる事業所などが少ない事も困難さの一つになります。

またアルコール依存症、統合失調症などの精神疾患は認知症同様、その言動が理解しづらく、対応も困難になりやすいです。利用者のキーパーソンがこの精神疾患を持っている場合などはさらに難しくなります。

⑦虐待の疑いがある

ケアマネから見て「これは虐待になるのでは・・・?」と思った時に、

・疑いがあってもどのようにそれを確認すればよいのか分からない
・下手な介入は関係にヒビが入り、今後の関わりが難しくなる恐れもある
・利用者の年金を使い込んでいるが、その介護者がいるから生活が成り立っている
・長い時間の上で構築された家族関係から発生している(嫁、姑で若い時はずっと姑が嫁をいじめていた。現在嫁が姑を罵倒し続けるなどのケース)

こういった点から、虐待と思われるケースへの対応をどうしていいか分からないというケアマネは多いと思います。

⑧経済的に困窮している

このパターンで困るのは

・年金収入が少なく、どうしても使えるサービスに制限が出ることで必要な支援ができない
・収入は少ないが、生活保護が受給できるほどではない。或いは保護を受ける事を拒否している
・原因は多々あるが、利用料など必要な支払いの拒否や滞納
・過去の多重債務や借金の返済が今も行われており、それにケアマネとしてどう対応したらよいか分からない

特にお金に関する事はトラブルになりやすく、ケアマネとしてどこまで、どうやって関わっていいのか分からず頭を悩ませるパターンです。

まとめ

ケアマネの困難事例8パターン

①独居、老夫婦
②認知症がある
③家族の存在
④要求や苦情の多い利用者、家族(クレーマー系)
⑤必要な支援(サービス利用や受診など)の拒否
⑥医療依存度が高い
⑦虐待の疑いがある
⑧経済的に困窮している

おおまかに8つのパターンをあげましたが、これらは複合している事が多く、その要素が多いほどさらに支援が困難になります。例えば

・親子二人暮らし。統合失調症の息子が認知症の親を介護

・老夫婦世帯。介護者の夫がアルコール依存症で本人に虐待の疑いとお金がいつもない状態。しかし他に頼れる親族がいない、等

こういった支援に困難さを抱える事例についての対応はケアマネの頭を悩ませますよね。

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コメント

  1. りんどう より:

    はじめまして
    利用者側からの相談です
    可能でしたら相談にのっていただけないでしょうか

    ■相談内容
    嚥下障害を持つ母の退院支援に関してのケアマネ対応について

    本人、キーパーソンである全面介護者と、年数回本人に会いに来る口出しのみ、無断財産管理、本人他親族へ一切共有無し、他問題有の医療従事者(立場上ケアマネより上)の親族がいます
    退院支援に関してケアマネより、他の親族(1名)了承の上でなければ介護支援しないと威圧的と感じる言葉を受けております
    他、ケアマネの態度に不審な行動もあり、当初の絶大な信頼が薄れつつあります

    退院後の訪問リハビリ、診療、看護サービスについての利用希望先も伝えているなか、どうすれば良いのかアドバイスをいただけないでしょうか

    不躾な相談ではございますがアドバイスをいただけると幸甚です

    • カワジロー カワジロー より:

      りんどうさん、コメントありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ありませんでした。
      確認ですが、りんどうさんは利用者の家族という立場で、現在のケアマネの対応に疑問を感じているという事でよろしいでしょうか?
      もしそうであれば、まずは希望されているサービスをどういった理由で導入してほしいと考えているのか。一度整理してケアマネに伝えてみてはいかがでしょうか?
      それでも、全く取り合ってくれないようであれば、別の居宅介護支援事業所にケアマネを変更する事も可能です。
      まずはお互い一度しっかり話し合ってみる事をオススメします。

      • シャア より:

        問題は、ケアマネが全面介護をしているキーパーソンと口出しのみ社会的立場が上である親族に挟まれた状況のなか、立場が上の親族の顔色を伺い、言い易いキーパーソンに威圧感を持って対処しようとしていることではないでしょうか 
        対応すべきは、ケアマネと口だけ親族への対処法の気がします
        そこに対応可能な経験豊かなケアマネに変更できれば良いですが。

  2. 肥後昇平 より:

    近日地域の多職種連携会議で在宅の困難事例について多職種で集まって在宅の困難事例についてディスカッションを行うのですが、ご紹介して頂いた8つのパターンはわかりやすく多職種の皆さんにも伝わりやすいと感じました。その多職種連携会議でこの8つのパターンをご紹介させてもらっても良いでしょうか。もちろん引用先も含めて紹介させて頂きます。ご検討頂けたら幸いです。

    • カワジロー カワジロー より:

      肥後昇平さん、コメントありがとうございます。
      記事を読んでいただきありがとうございます。ぜひ会議の場で活用してください。少しでも役立てれたら嬉しく思います。
      引用文献の岩間伸之先生の著書は、とても分かりやすく、しかし内容は非常に深いものとなっていますので、多くの人に読んでもらえると嬉しいです。

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