ケアマネの責任範囲「介護保険の事だけやればいい」のか?

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ケアマネの責任範囲「介護保険の事だけやればいい」のか? つぶやき

この記事はこんな風に悩んでいる人の役に立ちます

ケアマネの仕事の責任の範囲が分からない。どこまでやらなければいけないのか?
ケアマネの人なら新人からベテランまで最低でも一度は悩むのが「ケアマネの仕事の責任の範囲」です。
「利用者の生活を支える」という、アバウトかつ非常に大きな責任を伴う任務を負っているのが僕達ケアマネです。
その業務の特性上、どこまで自分達が責任をもって仕事をしなければいけないのか分からなくなることが度々あります。人によっては「ケアマネは介護保険の範囲でできることだけやればいい。それ以外は責任の範囲外」とドライに割り切っている人もいて、賛否両論といった感じです。
そこで今回は、ケアマネの責任範囲について深堀りして考えてみたいと思います。

法律などのルール上はどうなっているのか?

法律などのルール上はどうなっているのか?

まずはケアマネの責任の範囲について、法律などではどのように書かれているのか確認してみましょう。
「居宅介護支援」とは、居宅要介護者が指定居宅サービス又は特例居宅介護サービス費に係る居宅サービス若しくはこれに相当するサービス、指定地域密着型サービス又は特例地域密着型介護サービス費に係る地域密着型サービス若しくはこれに相当するサービス及びその他の居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービス又は福祉サービス(以下この項において「指定居宅サービス等」という。)の適切な利用等をすることができるよう、~居宅介護支援を行う事業をいう。
引用:介護保険法第8条第24項、一部抜粋
この文言をそのまま受け止めれば、介護保険だけでなく利用者にとって必要な保健・医療・福祉サービスが提供されるようにすることもケアマネには求められる事が書かれています。
介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成に当たっては、利用者の日常生活全般を支援する観点から、介護給付等対象サービス以外の保健医療サービス又は福祉サービス、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて居宅サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
引用:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第13条第4号
こちらは「努めなければならない」となっているのであくまで「努力義務」です。なのでできてないからといって厳しい罰則があるわけではありません。
しかし保健・医療・福祉のフォーマルな社会資源だけでなく、地域住民による活動などのインフォーマルな社会資源も活用できるようにすることがしっかり書かれています。
結論
法律などの文言からはこの2つがケアマネの責任範囲を示しているものになります。
この2つを見る限り、
・介護保険でできることだけしかやらないのは不適切
・少なくとも保健・医療・福祉サービスの調整は責任範囲
・それ以外のインフォーマルな社会資源の活用も頑張る必要がある

こんな感じです。なんか分かったような、分からないような感じですいません。

努力義務まで入れると、責任範囲が無限大に広がってしまうような気がしますね。

よくあるケアマネの範囲外業務

よくあるケアマネの範囲外業務

僕が経験したものも含めて、よくあるケアマネの責任の範囲外と思われる業務を挙げてみます。

・銀行など、金融機関で必要な手続きができるよう仲介や連絡調整
・病院受診の付き添い
・入院時に必要な物品を持っていく
・退院時の物品の引き上げ
・ショートステイ前の準備の手伝い(特に薬)
・引越し時の手伝い
・引っ越し前後の電気など、ライフラインの変更手続き
・訪問介護が保険で対応できない範囲の生活支援
・行方不明になった独居高齢者の探索
・救急車の同乗

他にもあると思いますが、代表的なものだけでもこれくらいあります。

これ、一般の人に分かってほしいのは範囲外業務をケアマネは全部追加料金なし、無料でやっているという事です。内容だけ見るとサービス料金取れそうなものばかりだと思います。

こんな風になってしまうのは、最初に言ったように「生活を支える」ことがケアマネの使命になっているからです。

人の生活というのはそれこそ様々な要素によって成り立っており、どこかに上手くいかないことがあれば、それなりに影響がでてしまいます。

だからケアマネが利用者の生活を真摯に支えようと思えば思うほど、その責任範囲は広大な海の如く無限大に拡大してしまうのです。

しかし一人の利用者にかかりっきりになったり、収入にもならない仕事ばかりやって疲弊して本来やるべき仕事の質が下がってしまったのでは本末転倒です。

責任範囲外業務への対応はどうすればいいのか?

責任範囲外業務への対応はどうすればいいのか?

では、責任の範囲外業務についてどうすればいいのか?ということについて考えてみます。

まず、そもそも責任範囲がどこまでなのか?という事についてですが

・最低限の責任範囲は介護保険のルールで決められた範囲
・それ以外に関しては、ケース別や個人の力量、事業所ごとの方針で異なる

こんな感じです。中途半端な感じもあるのですが、現状では絶対的な線引きが難しい為、どこまでケアマネがやるのかという事については一度管理者や経営者も含めて全員で話し合うのが良いと思います。

 

そして範囲外業務を緊急時等、どうしても対応しなければいけない時もあると思います。その際は対応後に

「自分がやる以外の方法はないか?」

これを考える必要があります。何故かというと

僕達ケアマネは直接援助技術者(介護福祉士、看護師等)ではなく「間接援助技術者」だからです。

ケアマネになる前に、介護や看護業務で直接ケアをしていた経験を持っている人は多いですよね。僕もそうでした。

直接援助技術者の醍醐味は、良いケアができた時にダイレクトに利用者や家族から感謝され、その事が大きな喜びになります。だから「自分がなんとか少しでも良いケアをしてあげたい」こんな風に考える事が多いです。

しかし間接援助技術者は、自分が直接援助するのではなく「クライエントに、必要な援助を直接してくれる人を結びつける仕事」これが本来の役目です。

この違いを理解せず、いつまでも直接援助技術者の時のマインドのままだと確実に行き詰まります。「自分がなんとかしてあげたい」その気持ちは立派だし、否定することもありません。しかし自分が直接動くのは最終手段であり、他の人に繋ぐ事で「なんとかしてあげる」という考えにシフトしなければなりません。

そうでなければ、自分が直接援助をしている時間は他の利用者への対応ができません。ケアマネの仕事はいつ対応が必要になるか分からない為、可能な限り柔軟に動けないような時間を減らさないといけません。

また範囲外業務のやり過ぎて心身がすり減り、長期的に休まなければいけなくなった。或いは心が折れて辞める事になったらどうでしょう。信頼していたケアマネが変わるのは、利用者にとって大きな変化であり、不安などのストレスにもなります。

そうなれば利用者や家族の為にという使命感で一生懸命頑張ったはずなのに、むしろ不利益な結果を与えるという正反対の事態を引き起こしてしまいます。それは防がないといけません。

探せば意外と自分が動かなくてもなんとかなる方法はあります。

それに遠方に住んでいる家族でもできる事はあります。本人やケアマネとの関係性にもよりますが、変な遠慮は止めて協力してもらえないか頼んでみましょう。

まとめ

ケアマネの責任範囲について法律などのルール上は

・介護保険でできることだけしかやらないのは不適切
・少なくとも保健・医療・福祉サービスの調整は責任範囲
・それ以外のインフォーマルな社会資源の活用も頑張る必要がある

範囲外業務についてどうするかはケース別や個人の力量、事業所ごとの方針で異なる

 

僕達ケアマネは、マジメな人が多いです。そして生活を支えるという特殊な使命を背負っている故に「色々生活に障害がある所を全部ちゃんとしてあげたい」と思ってしまいます。

しかしそれはケアマネの価値感で「相手の生活がよろしくない」と勝手にジャッジしているから起きる考えです。そもそも僕達ですら、全てにおいて標準以上の生活をしている人なんて稀であり、皆何かしらの問題を抱えながら生活を送っているのです。

だから全部ケアマネがなんとかする必要なんてありません。

僕は「とりあえず死なない程度に生活ができれていればいい」と割り切り、アセスメントやモニタリングで確認した上で利用者から強いニーズが無いものに関しては特に何もしません。

「あのケアマネは何もしない。もっとしてあげればいいのに」等と周囲から言われる事もあります。しかし考えてみてください。

例えばあなたに借金があったとします。それを他人から

「借金がいつまでもあるのはいけません。早く返せるよう、仕事が休みの日はバイトしましょう。いいバイト紹介しますよ」

等と言われたらどうでしょう?

僕なら「なんだこいつ、余計なお世話だ!」とイラッとすると思います。

笑い話のようですが意外とこういう相手の気持ちを逆なでするような事をやってるケアマネは多いです。

自ら助けを求めていない事に対しては、不要なアクションは控えた方がいいです。

信頼関係さえしっかりできていれば、本当に困ったときには向こうから助けを求めてくるのでそれまでは辛抱強く待つ勇気も大切です。

問題があってもいい。それと付き合いながら生きるのも人生。そう思うことで責任の範囲を広げすぎないようにできるコツしれません。

 

 

 

 

 

 

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