令和6年9月21日に厚労省が潜在ケアマネの活用について検討会を開催している事がニュースになりました。
潜在ケアマネの復職どう促進 再研修の弾力化を求める声相次ぐ 厚労省検討会
潜在ケアマネとは過去にケアマネをやっていたが、様々な理由で現在その仕事についていない人の事。
よく介護や看護では潜在的に存在している有資格者の復職をサポートする事で、人材不足の解消に繋げようとする仕組みがありますが、それのケアマネ版です。
現在検討されている主な内容として、ケアマネとして復職をしようにも年に1回しか失効しているライセンスを有効にするための研修が受けられない(再研修)ことがネックになっている。だから現在の研修の仕組みを変える事を検討されています。
主な検討内容がこんな感じです。
・現在の都道府県が主体の研修(おもに県社協に委託)だけでなく、自治体や職能団体、その他一定の研修機関による研修でも復職に必要な再研修として認める
・現在の仕事(たとえば介護に全く関係ない仕事であっても)をしながらでも、研修を受けられるようにする
広島県介護支援専門員協会の落久保裕之会長は、更新研修の見直しに言及「高齢のケアマネジャーさんたち、経験や対人援助のスキルを持っているものの体力的・時間的な制限が少しずつ出てきた方々は、更新研修を若い方々と同じレベルで受けるべきだろうかという議論も必要」と主張「今まで培ってきた経験に基づく免除項目などを検討しても良いのではないか」と提案引用・JOINT介護ニュースサイトより一部抜粋
研修の申し込みは絶対に〇年の時には受けないといけない。これ忘れたらマジでヤバい。でも早めに申し込んでも断られるし、どないしろゆうねん
〇〇さん、うちのケアマネが今度一人辞めてしまうの。良かったら久しぶりにケアマネの仕事に復帰しない?〇〇さんなら大歓迎よ
ありがとう。あなたのがいる事業所なら一緒に働いてみてもいいわ
本当に!?ありがとう。じゃあ早速なんだけど、来月から働けたりする?
ごめん、私もすぐに働きたい気持ちはあるけど、ケアマネのライセンスの有効期限が切れてて。働けるのは来年の再研修受講してからになっちゃう・・・。
こんな風にすぐにケアマネとして働きたい人のブレーキになっているんです。その為今回の検討案は大賛成。というより一刻も早く実施できるようにしてほしい。
現在ケアマネの仕事をしていなくてもいい。もしくは年中自分の好きなタイミングで受講が可能。これであればケアマネの仕事にカムバックしやすいと言えるでしょう。
また更新研修の見直しについても大賛成です。特に法定研修Ⅱ。
これ、まだ経験年数5年以内の経験が浅い人も、10年越えのベテランもごちゃ混ぜにして受けさせられるのが現状です。
こうなると経験値の差から一緒にグループワークなどやっていても話しが噛み合わない。結果としてベテランが経験の浅いケアマネに教えてあげるみたいな雰囲気になる。しかしこれがどちらにとっても良くない。
ベテランからすれば「こんなレベルの低いケアマネと一緒にされたら、自分の学びにならない」と思うし、経験の浅い側からすれば「同じ受講者なのに、なんで偉そうに上から目線で言われなきゃいけないのか」とフラストレーションを感じる。
その為更新研修は経験年数で区分を作り、上のグレードになるほど免除項目が多くなったり、よりレベルの高い研修が受けられるようにするなど、それぞれのレベルに応じた研修体系にするのが良いのではないかと思います。
現在のケアマネ研修はケアマネの金銭的、時間的、体力的負担が大きい割にケアマネのメリットに繋がっていない。単に制度側のご都合だけで運用されている印象があります。それがケアマネ不足の一員になっている事は否定できないでしょう。
本当の意味でケアマネの事を真剣に考えた研修体系になることを期待したいですね。