突然ですがケアマネの皆さん、ケアプランをちゃんと交付していますか?
「もちろんちゃんとやってますよ、何言ってるんですか!」
すいません、疑っているわけではなく実際ほとんどのケアマネの人がちゃんと交付しているはずです。ですが、それをきちんと記録に残しているかどうか問われたらどうでしょうか?
ちなみにケアプランの交付に関するルールは、運営基準第13条11号に載っています。
介護支援専門員は、居宅サービス計画を作成した際には、当該居宅サービス計画を利用者及び担当者に交付しなければならない。
引用:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第13条11号より
ここには、交付しなければならないとは書かれていますが文書で記録を残しておけとは一切書かれていません。その為、交付の記録がない事をもってして即座に不適切な運営だと言われるわけではありません。
しかし、逆に「では交付した証拠はあるのですか?」と言われた時に自分達の正当性を証明することもできない為、何かしら記録に残して正当性を証明する方が良いでしょう。
では、ケアプラン交付の記録はどうするのが良いか考えてみます。
ケアプラン交付の記録に入れるべき内容
- 交付した日付
- 交付した相手
- 交付した事実
- 交付方法
これくらいの内容は最低限記録に残しておくと良いです。そうでないと、交付した事の証明力が弱くなってしまう恐れがあります。
では、これらの内容をどのような方法で記録するのが良いでしょうか?
ケアプラン交付を証明する記録方法
ざっと4パターンほど考えられます。
①居宅介護支援経過
②ケアプラン第1表
③会議録(サービス担当者会議の要点)
④受領確認表
この辺りでしょうか。そして僕がやっていた方法でオススメなのは①か②です。
その理由ですが一つずつ見ていきます。
①居宅介護支援経過(第5表)
ケアマネの支援業務に関するあらゆる記録を行うのが、この支援経過です。
凡庸性の高さから、この交付に関しての記録を残すに便利です。
何より、ケアマネに関する記録を見るとしたら、まずこの支援経過を見ることが多いはずです。その為、必要な記録を支援経過に集約することで、確認作業がワンストップでできるのがメリットです。
デメリットは手間です。配布先が多い場合はその分文字入力の手間が増えます。
②ケアプラン第1表
第1表には利用者の同意を証明するための署名・捺印のスペースがあると思いますが、その横は結構空白スペースになっています。
その空白スペースをケアプランの「受領欄」にして、受領した担当者がサインすることで交付の証明が可能になります。
これは相手にサインをもらうだけなので、支援経過より手間がかからないのがメリットです。
デメリットは交付者が多いと名前だらけになり、見た目があまりキレイにならなくなってしまう事です。
③会議録
ケアプランを作っているからにはサービス担当者会議をやって会議録を作っている前提があるため、それを利用して会議録のスペースに交付した事を証明する方法です。
ただ交付した相手にサインを書いてもらう場合、一番良いのはサービス担当者会議終了直後なのですが、この時点ではそもそも会議録が無いためもらえません。なので、作成した後にわざわざ会議録にサインをもらうのはかなりの手間です。
このような理由から、会議録への記録はあまり実践的ではないと思われます。
④受領確認表
ケアプランなどとは別に「受領確認表」というものを作り、そこにサインなどをもらった後保管しておき、交付した事を証明しろと実地指導等で言われた時に見せるようにしておくやり方です。
僕も自分がまだ新人の頃の管理者がこのやり方だったのでやった事あるのですが、ハッキリ言って面倒臭いです。
ただでさえ書類の多いケアマネの仕事に、さらに余計な書類を増やし、しかも受領確認表にサインを書いてもらわないといけないのです。
これは交付時に毎回受領確認表を持っている事が前提なのですが、実際には毎回受領確認表を持った状態でケアプランの交付をするのはかなり大変です。さらに交付の手間だけでなく、受領確認表を管理する手間も増えてしまいます。
サインをもらう手間を省く為に、ケアマネサイドが交付した日に記録するのであれば、支援経過と手間は同じなので書類が無駄に増える分、こっちの方が面倒という結論になります。
以上の理由から僕は①か②がオススメです。
手間が少ないのは②なのですが、僕はちょっと見た目にもこだわるタイプだったので、ケアプランの顔である1表がなんとなく汚くなるのが嫌で、①の支援経過に交付の記録を残していました。
まとめ
ケアプラン交付に入れるべき内容は
- 交付した日付
- 交付した相手
- 交付した事実
- 交付方法
ケアプラン交付を証明する為のオススメの記録方法は
「居宅介護支援経過(第5表)」
「ケアプラン第1表の空白スペースに受領証明する為に、交付した相手にサインを書いてもらう」
ケアマネの業務はどうしても紙ベースでの仕事が多いのが現状です。幾ら良い仕事をしても、それが証明できないとやっていないのと同じ扱いを受けるという厳しい現実もあります。
自分達の仕事を誰に見られても恥じること無く証明する為にも、きちんとした記録を残していきましょう。