ケアプラン作成で割と頭を悩ませるのがこの「ニーズの書き方」
実際にクライエントにアセスメントした後、はっきりとした意向が掴みきれず、とりあえず「多分こんな感じだろう」と良くも悪くも適当に、「○○したい」というニーズの書き方をしたことはないでしょうか?
僕も昔、アセスメントが不十分な頃利用者さんが「デイに行って、風呂入れてもらわないかんと思うんよ」と言ったのでニーズに「入浴したい」みたいな事を書いていたことがありました。
これはクライエントの表面的な意向しか汲み取れておらず、その先の「なんで入浴したいのか」「入浴して、その後どんな生活がしたいのか」といった所に踏み込めていない為、誰が見ても薄っぺらいニーズの書き方になってしまっている悪い例です。
では、どんな風に書けば良いのか?実はあまり難しいことは考えず、決まった型にはめてしまえばちゃんとしたニーズの書き方になります。その型がこちらです。
「原因」の為、「困り事」だが、「意向」たい
どういう事?って感じですよね。なので例を出してみます。
Aさんはこれまでカラオケが大好きで、友人たちと毎週のようにカラオケボックスで歌う事を楽しまれていた。しかし、脳梗塞を発症し入院。幸い一命は取り留めるも、後遺症で麻痺が残り、以前のようにきれいな声が出せなくなった。
「もう歌を歌うことはできない・・・」という思いと「でも、できるのならこれからも歌を歌いたい」という気持ちで揺れ動いている。
こんな事例があったとしますよね。そしてアセスメントによる分析をして
・原因 → 脳梗塞の発症
・困り事 → きれいな声が出せない
・意向 → これまでのように歌を楽しみたい
こんな風に整理します。そして上記の型にはめてみると
「脳梗塞の発症により(原因)、以前のようなきれいな声が出なくなったが(困り事)、これまでのように歌を楽しみたい(意向)」
こんな書き方になります。どうでしょう、かなりいい感じだと思いませんか?
ケアプランで大事なのは、実際にそのニーズが実現できるかどうか分からなくても、ちゃんとクライエントの意向を汲み取り、それを整理することがケアマネジャーに求められます。
上記のケースで言えば、このニーズから言語訓練などを頑張った。最終的には以前のようなきれいな声には程遠くても、今できる精一杯の声でカラオケを楽しめるようになって、再び活気ある生活が送れるようになるかもしれません。
この型はどんなケースでも応用が可能と思いますので、是非参考にしてみてください。