老人保健施設は「薬価」が高いと入所を断られることがあることを知っておこう

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僕達ケアマネジャーが「施設」と聞くと、最もメジャーなものは「特別養護老人ホーム」「老人保健施設」「療養病床」(介護医療院)などがまず上がると思います。

この中で今回は「老人保健施設」について、少し触れてみます。

 

老人保健施設とは?

「ろうけん=介護老人保健施設」は、介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すために、医師による医学的管理の下、看護・介護といったケアはもとより、作業療法士や理学療法士等によるリハビリテーション、また、栄養管理・食事・入浴などの日常サービスまで併せて提供する施設です。利用者ひとりひとりの状態や目標に合わせたケアサービスを、医師をはじめとする専門スタッフが行い、夜間でも安心できる体制を整えています。

介護老人保健施設をご利用いただける方は、介護保険法による被保険者で要介護認定を受けた方のうち、病状が安定していて入院治療の必要がない要介護度1~5の方で、リハビリテーションを必要とされる方です。

介護老人保健施設は、常に利用者主体の質の高い介護サービスの提供を心がけ、地域に開かれた施設として、利用者のニーズにきめ細かく応える施設です。介護予防を含めた教育・啓発活動など幅広い活動を通じ、在宅ケア支援の拠点となる事を目指して、ご利用者・ご家族の皆様が、快適に自分らしい日常生活を送れるよう支援をしています。

(引用:全国老人保健施設協会HPより)

簡単に特養との違いを言うと、特養は老健よりも看護師の配置基準が少なく、夜勤は看護師がいない施設も多いです。

医師にしても、地域の医療機関に「協力医療機関」という関係で協力してもらっている感じで施設に常駐しているわけではありません。

ところが老健は管理者が医師でないといけないという決まりもあり、施設長が医師の為、病院のように医師が常駐しているのです。(24時間いるわけではありませんが)その為、風邪を引いたなどのちょっとした体調不良であれば、すぐに診察を受けられるのが大きなメリットです。

在宅復帰に力を入れている老健であれば、リハビリスタッフなどのコメディカルも多くいて、どちらかと言えば一般的な施設より、病院に近い感じです。

しかも、料金は完全個室の新しいタイプの特養より、多床室のある老健のほうが安いことも多いので「だったら断然老健のほうがいいじゃない」と思う人もいると思います。

しかし、ここでケアマネとして知っておいてほしいことがあります。

実は老人保健施設は、医療色が強いこともあって入所者に対して施設医が薬を処方できるようになっています。そして

「施設医が処方する薬代(薬価)は基本介護サービス費とまるめになっている」

そんなん知ってるわ~って人も多いかもしれませんが、恥ずかしい話自分はケアマネになったばかりの頃、この事を知らなかったのです。

過去に急性期病院から退院をしなければいけない人がいて、でも在宅にすぐに帰るにはADLが低下してしまっているので、リハビリ目的で老健を探していました。

そこで、空床があるよ~と聞いた老健に入所をお願いした結果、当然入所できると思っていたら

「今回○○さんの入所をお断りさせていただくことになりました」

「なんですと!?」です(笑)

空床あるのになんで?そこで老健の入所担当者に確認した所、上記の薬価が原因であることが分かり、そこで初めて老健が薬価をまるめで負担している事を知りました。

その他にも、老健は入所中基本的な診察は施設医がすることになっています。そして入所中の他科受診に関しても原則老健が全額自己負担することになっています。

ただし例外があります。

介護老人保健施設入所者に対して医療保険から算定できる医療サービスの概要について

詳細は上記をご参照ください。

つまり

「薬価が高い」

「入所中に他科受診が必要そう」

こういったケースだと、空床があるにも関わらず老健の入所を断られることがあるということです。

「そんなの、正当なサービス提供拒否の理由ではないのでは?」と思うかもしれませんが、ケアマネとして、現実的な事として知っておいてほしいと思います。

では、どうすればよいのか?

①薬価を安くできないかを検討する

薬価は先発品か後発品(ジェネリック)かで随分変わります。まず主治医などと相談して、後発品がある薬はジェネリックにできないか。

加えて、余計な薬がないか?減らせるものはないかも相談してみる事をお勧めします。

②他科受診は調整できないか

複数の医療機関や、もしくは総合病院で複数の診療科にかかっている人がいる場合。入所中に次回受診予定が入っていたりすると、入所に難色を示される事があります。

この場合、医療機関に「老健入所を検討しているので、この受診予定を延期することはできないか?」と相談してみてもいいでしょう。

 

まとめ

昨今、急性期の医療機関はどんどん入院期間の短縮を図ってくる中、即自宅への退院が難しいクライエントの一時的な入所が可能な老健は、在宅のケアマネにとって大きな味方になります。

しかし、介護報酬による経営の厳しさはどの事業所でも同じで、それは老健でも同じです。

できるだけスムーズな入所を進めるためにも、早めに必要な情報(特に薬価や他科受診の情報)は伝え、その辺りが厳しいのかどうか?調整してほしい部分があるのかどうか?そういった事を、ケアマネ側から施設に確認してみるのも必要な連携と言えます。

相手の置かれている状況を知って、それに配慮した連携をすることが、最終的にはクライエントの利益に繋がります。そこまでやった事がない人は、参考にしていただけると良いと思います。

 

 

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