この記事はこんな人の役に立ちます
ケアマネとして、色々な人とコミュニケーション取らないといけない立場なんだけど
・他人がやる事があまりに適当過ぎて気になってしまう
・機嫌が悪い人がいると「自分のせい?」と考えてしまう
・その結果、他人といる事に強いストレスを感じながら仕事をしている
こんな状態では、ケアマネの仕事を続ける自信が無くて辞めようかどうしようか悩んでいる
ケアマネの仕事は対人援助職と言われるように、人とコミュニケーションとってなんぼの仕事です。
しかしこんな悩みを抱えながら仕事をしていませんか?
本音を言うと、人とコミュニケーション取るのが苦手。ストレスで胃に穴が開きそう
コミュニケーションが絶対必要な仕事であるにも関わらず、他人とのコミュニケーションに強いストレスを感じている。
一見矛盾しているようですが、おかしなことではありません。僕自身も他人と会話するのが好きな一方
「今日誰とも会いたくない」
こんな感じで120%全力で引きこもり、仕事がしたくないと思う事があります。
この強烈なストレスに対して「そんなはずない。元々人と接する事が好きなんだから、もっと勉強して成長すれば、このストレスは無くなるはず」
このように見えないフリをして一生懸命頑張り続けた結果、これまで大勢の素晴らしいケアマネさんが辞めていったのを見てきました。
もしこの記事を読んでくれているあなたが、仕事自体は好きなのに、他人とコミュニケーションを取る事に強いストレスを感じているのであれば危険です。そのまま放置し続ければ、バーンアウトを起こして仕事を辞めなければいけなくなるかもしれません。
なぜこんなに他人とのコミュニケーションにストレスを感じるのか?僕が色々な本を読む中で一つの答えが出ました。それが
ケアマネは「繊細さん」な人が多いのに、その事を自覚している人がほとんどいない
一体何の事なのか?自分はどうすればいいのか?今回の記事では「繊細さんの本」から、僕達ケアマネがどのように仕事と向き合っていけば良いのか紹介させてもらいます。
この記事の参考資料
リンク
繊細さんとは?
アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱した「HSP(Highly Sensitive Person)」
HSPを一言で表すと「敏感すぎる人」
他人のちょっとした仕草や発言、周りの環境など色々な事の変化が凄く気になる。
一般的には画家などのアーティストタイプの人を想像してもらえると分かりやすいのかなと思います。
本書の著者で、自信もHSPとしてHSP専門カウンセラーをしている武田友紀氏は、親しみを込めてHSPの人の事を「繊細さん」と表現しています。
自分は繊細さんのような気もするし、そうでない気もするし、どっちなんだろ?
実際自分が繊細さんなのかどうか分かっていない人がほとんどです。そのような人は本書で紹介されている、アーロン博士によるHSP自己テストをやってみてください。
以下の質問に少しでも当てはまるなら「はい」を、全く当てはまらないか、あまり当てはまらない場合には「いいえ」を選択してください。
1~2分で終わるので、時間がある方はやってみてください。
どうでしたか?
アーロン博士いわく21個中、12個以上に「はい」が当てはまった場合にはHSPの可能性が高いそうです。
ただし12個以下でも、例えば「はい」が一つか二つでも、その度合いが極端に強い場合はHSPの可能性があるようです。
このテストで大事な事は、自分自身がHSP(以下繊細さん)かどうかを判断する事ではありません。
自分自身がどんな事に敏感に反応するのか、その事をまずは知る事が大事です。
例えば僕の場合、該当は12個以下なので繊細さんではないのかもしれません。しかし
・短時間にたくさんのことをしなければいけない場合、混乱する
・一度にたくさんのことを頼まれると嫌だ
・沢山のことが周りで起きていると、不快になり神経が昂る
この3つが強く当てはまり、このような事が起きるといつも強いストレスを感じて、その結果周囲の人に不機嫌な態度で接してしまう。そして自分自身に自己嫌悪して落ち込んでしまう。
そんな自分をどうにかしたいとは思うけど、なかなか変える事ができず、また同じような事を繰り返し、また自己嫌悪・・・
このような無限のネガティブスパイラルに陥ってしまいます。そういう意味では僕も「繊細さん」な部分があると考えました。
では、僕達のような繊細さんな人はどうすればいいのか?その対応方法について、本書の中から幾つか紹介させてもらいます。
繊細さんケアマネの対応方法
①断っていい
僕達ケアマネは色々な人と良好な関係を築かなければならない。その結果、本当なら引き受けたくないような仕事の依頼も断る事ができず引き受けてしまい、いつの間にか「何でも屋」のような扱いをされるようになった。
時間外や休日にも当たり前のように連絡が入り、その都度対応。しかし働いた分の報酬は支払われる事はない。
どうしてプライベートを犠牲にしてまでこんなに頑張らないといけないの?でも断って人間関係を悪くするわけにはいかないし・・・
このような悩みはケアマネによくありますよね。実際に僕もケアマネ初任者の頃は、周りに気を遣い過ぎて何でも引き受けていました。
その結果完全にオーバーワーク状態。精神的に追い詰められ、仕事中に急にワケも無く涙が止まらなくなる状態になった事もあります。(マジです)
「このままではいけない」と考え、自分にできない事はできないとちゃんと断るようにしました。また、自分じゃなくてもできる事は他の人に任せられないかお願いするようにしました。
その結果、負担が軽くなり仕事がかなりやりやすくなりました。仕事を断った事で
「前のケアマネさんはやってくれていたのになんで?」
「これはケアマネの仕事なんじゃないの?断る理由が分からない」
こんな風に言われる事もありましたが、基本はオールスルー。いい意味で周りに気を遣い過ぎず、素直に言いたい事を言うようにしました。
本書でも「繊細さんはもっと素の自分を出していい。それで壊れる人間関係は、自分に必要無かったもの。自然と自分にとって必要な人間関係に収まる」というような内容が書かれています。
このような事から、繊細さんなケアマネはもっと素の自分を出して、やりたくない事はやりたくないとしっかり断っていけるようにしてみましょう。
②ちゃんと嫌っていい
よく自己啓発本などにこのような事が書かれています。
「良好な人間関係を築くコツは、相手の嫌な所をみるのではなく良い所を見るようにする事。相手を好きになる事で自然と良い関係が築ける」
なんて素晴らしすぎる理論。僕もこのような本をたくさん読んで、嫌いな人であっても、なるべく良い所を探そうと頑張ってみました。そうしないと、ケアマネにとって大切なネットワークの構築ができないと思ったからです。
しかし嫌いな人の良い所が一つも見つからない。目に付くのは嫌な所ばかり。良い所を見つける事ができない自分に自己嫌悪、という負のループに逆にハマってしまいました。
でもこの本にはこう書かれています。
「人を嫌いという感覚は生きていく上で大切なセンサー。嫌いな相手は避けていいし、可能ならその人の相手は誰かに任せるほうがお互いに幸せな時間が増える」
僕達ケアマネは嫌な相手とも無理してコミュニケーションを取ろうとしてます。その結果、異常に精神を削られ辞めていくケアマネが後を絶ちません。
嫌いな相手を全て避ける事はできないかもしれません。でも、その相手を別の人に代わってもらえる可能性があるならお願いする。
少なくとも自分の嫌いな相手を、無理して好きになろうとしなくてもいい。ちゃんと「この人なんか嫌い」っていう感覚を大事にしてもいい。それを知るだけでも楽になれる気がします
③助けなくていい
僕達ケアマネ、特に繊細さん気質が強いケアマネは利用者や家族の色々な課題に気付きます。しかし当の本人達はその課題を放置した結果、どのような不利益な事が起きるかさっぱり分かっていない。
そのような時、どうしても先回りして助けてあげたくなりますよね。しかし本書ではこう書かれています
「先回りして相手を助けるのは、必ずしもいい結果をもたらさない。繊細さんは助けるのが早すぎる」
これ、本書で個人的に一番ぶっ刺さったフレーズです。ケアマネの方なら「ギクリ」とした人もいるのではないでしょうか?
僕達は利用者に「もっとああしたほうがいい。これもこうしたほうがいい」と色々言います。その結果「余計なお世話だ」と怒られる事もしばしば。
こっちは心配だから、安全なやり方を提案しているのに。なんで怒られなきゃいけないの?
これはケアマネあるあるです。そう、僕達は助けるのが早すぎるんです。助けるのは、相手が本当に困った時でいいんです。
本書では相手が困るまで、手出しせずそばで見守る事が必要だと書かれています。
確かにその通り。同じ支援でも本人が求めてなければ「余計なおせっかい」になるし、本人の困りごとにピンポイントで対応できれば「ありがたいサポート」になるのです。
じっと見守るのは忍耐も必要ですが、あまりに早く助けすぎる自分達の癖を少し改善していく必要はありそうですね。
④頼っていい
僕達ケアマネは良くも悪くも周囲から頼られる事は多いです。
「何かあったらケアマネに連絡」が常識の介護業界では仕方ない事かもしれません。しかしその影響もあって、僕達ケアマネはこう考えがち
「自分がなんとかしなきゃ」
問題が起きた時に一人で抱え込みがちです。その結果行き詰まる。ケアマネあるあるではないでしょうか?
しかし現実的に、一人で全ての問題や課題へ対応するのは不可能です。その為には人に頼る事を覚える必要があります。
本書では人に頼れる為のポイントがたくさん書かれていますが、僕が重要だと思ったのがコチラ
・まずは「頼る」という発想を持つ
・相手の状況を勝手に推察せず、言葉でちゃんと伝える
(今忙しいかな?等と勝手に考えず、「〇〇してほしいんだけど、どうかな?」とちゃんと言う
・引き受けてもらえたら、信じて任せる
・まずは確実に応えてくれる人に、簡単な事から頼む
僕達ケアマネは責任感が強く、また他人に気を遣い過ぎる人が多いです。しかし仕事をスムーズに進めていく為には周囲からの協力が欠かせない。でも、繊細さんな性格のせいで頼るのが苦手。
だからまずは、人に頼る練習から始めていきましょう。本書では「そこの醤油取って」くらいの、小さなお願いからやっていく事が推奨されていました。だから大きな頼み事はまだ無理でも、断るのが難しいくらい小さなお願い(例えば同僚にファイルを取ってもらう、等)を普段やってみるのが良いかもしれませんね。
⑤仲間を見つける
本書によると、人間には繊細さんと、非繊細さんの2種類の人間がいるそうです。そして繊細さんは大体全体の2割程度。全体で見ると結構少ない印象です。
でも同じような繊細さん仲間がほしいですよね。そうすれば、普段は理解してもらえない、自分の感覚などに共感してもらえれば、とてもハッピーな気持ちで生活できるようになることが想像できます。
本書では同じ繊細さん仲間を見つける方法が書かれています。
・自分が「いいな」と思うお店に通う(食事、カフェ、雑貨屋など)
・自分が好きなイベントに参加する
・SNSで発信する
この中で特にSNSでの発信はオススメです。SNSは本当に色々な価値観の人がいて、そういった人達が自動的にタイムラインに表示されるよう設定されているので、自然と交流する事ができます。
また地域のケアマネ会などの研修や勉強会への参加も、同じような繊細さんケアマネと出会う確率が高くなるのでオススメです。実際ケアマネは繊細さんが多いから、ケアマネだけであれば倍の4割くらいはいてもおかしくないです。つまり、普通のイベントなどより同じ繊細さんに出会える確率が高いという事です。
僕もコロナ禍の前はよく参加していましたが、自分の価値観や考えに共感できる人がたくさんいて、そこに参加して話をするだけで楽しくて癒されます。
まとめ
繊細さんケアマネの対応方法
①断っていい
②ちゃんと嫌っていい
③助けなくていい
④頼っていい
⑤仲間を見つける
ケアマネは繊細さんな人が多いです。本書ではこの記事で紹介した以外にも、繊細さんな人向けにたくさんの実用的な知識が書かれていました。
「もう他人と関わりたくない」ってくらい、人間関係に疲れている人は、一度じっくり読んでみる事をオススメします。
リンク
「ケアマネになりたい、でも試験に全然受からん」
こんな人へ。大丈夫、ケアマネ試験は正しい勉強方法を知っていれば誰でも受かります
僕が試験に一発合格した時に使った方法を教えます
次こそ試験に合格して、周りの人達を見返してやりましょう。その方法をこのnoteに余すことなく書き上げましたので、試験に受かりたい人は読んでみてください
関連