この記事はこんな人に役立ちます
認知症って色々種類があるのは知っているけど、違いが分からない。一体何が違うのか?
認知症と一口で言っても、種類があり主に4つの認知症があります。
これを「4大認知症」と呼んでおり、介護の専門職は基礎知識としてそれぞれの特徴を知ってケアを行う必要があります。
今回は4大認知症のそれぞれの特徴について紹介します。
4大認知症の特徴(表)
アルツハイマー型 | 脳血管性 | レビー小体型 | 前頭側頭型(ピック病) | |
---|---|---|---|---|
特徴 | 症状は緩やかに進行する。 中核症状、BPSDが進行し人格変化が起きる。 女性に多い。 脳血管性と混合している事もある。 最終的には寝たきりになり肺炎や心不全で発症から約10年で死に至る。 | 脳の欠損部位によって症状の出方が異なる為「まだら認知症」と呼ばれる。 早期から尿失禁や筋力低下など神経症状を伴う。 記憶力や人格は比較的保たれる。 脳卒中発症の度に段階的に症状が進行する。 アルツハイマー型と混合している事もある。 男性に多い | 大脳皮質の神経細胞内にレビー小体と呼ばれる構造物が出現する事により発症。 アルツハイマー型と間違われやすい。 幻視、幻聴、パーキンソン症状、便秘や起立性低血圧などの自律神経障害など幅広い症状がでる。ただ日や時間帯によって波がある。 数年で寝たきりになりやすい。 | 脳の前頭葉から側頭葉前方部の萎縮が強い認知症。 反社会的行動や同じ行為を繰り返す、無気力等。 初期には明らかな認知症状が見られないことある。 性格変化や異常行動が難治性症状への対応が困難な事が多い。 |
発症割合 | 50~60% | 30% | 10% | 5% |
ケアの方法 | 薬物療法 | 脳梗塞などの発症を予防する。 環境変化を少なくする。 リハビリなど活動性を高める | 薬物療法。ただし抗精神薬に過敏に反応し症状が悪化することある為適切な調整が必要。 薬の作用により転倒しやすくなる為注意必要。 不安などの軽減ができるケアを心がける | 精神科での入院治療。 常同行動を利用したパターン化したケアも有効 |
今回はまずざっと4大認知症のポイントだけ押さえてもらいたいと思います。それぞれの認知症の特徴などについては、別の記事で解説を予定しています。
また病気の影響で認知症と告示した症状が出るものがあります。例えば以下のような病気です。
- ホルモン異常
- 肝臓病
- 腎臓病
- ビタミン欠乏症
- 硬膜下血腫
- 水頭症など
これらの病気の治療によって認知症と思われていた状態が改善することがあります。
認知症に使われるお薬
製品名(成分名) | アリセプト (ドネペジル) | レミニール (ガランタミン) | イクセロン リバスタッチ (リバスチグミン) | メマリー (メマンチン) |
---|---|---|---|---|
適応状態 | 軽度~重度 | 軽度、中等度 | 軽度、中等度 | 中等度、重度 |
剤形 | 錠剤、細粒、口腔内崩壊剤、内服ゼリー | 錠剤、口腔内崩壊錠、内溶液 | パッチ錠 (貼付剤) | 錠剤 |
投与回数 | 1日1回 | 1日2回 | 1日1回 | 1日1回 |
特徴 | 軽度~高度まで幅広い症状に使えるうえに副作用が他の薬剤と比較して少ない為使いやすい。また剤形の種類も多く嚥下機能に合わせて選択できる | 認知症症状の進行抑制効果が約1年と比較的長く維持されうる。一方で副作用の頻度がやや高い | 最大の特徴は貼り薬であること。背中や上腕部、胸部等に貼り付ける。 嚥下障害や服薬拒否が強い人でも使用しやすい | 他の3薬と薬効のメカニズムが異なる。その為この薬だけが他の3薬との併用が可能で併用によってより効果が高まる。 |
主作用 | 記憶や学習の障害など認知症状の進行を遅らせる | アリセプトとほぼ同じ | アリセプトとほぼ同じ | 興奮や攻撃性、妄想や進行抑制作用 |
副作用や注意点 | 最も多い副作用は食欲不振や吐き気、嘔吐、下痢など消化器系症状。他に興奮、不穏、不眠、攻撃性など精神症状。また徘徊、頭痛、動悸、血圧上昇、徐脈、不整脈など。 注意点として心疾患や気管支喘息、胃潰瘍、パーキンソン病の人などは症状を悪化させる可能性がある為事前に医師に伝えることが重要になる | 副作用はアリセプトとほぼ同じ。ただ吐き気や下痢などの消化器系症状や頭痛などの副作用が他の薬より出やすい | 副作用はアリセプトとほぼ同じ。ただ貼り薬の為皮膚がかぶれることがある。また毎回同じ場所に貼らない、傷やただれた場所に貼らないなどの注意点がある | 頻度の高い副作用はめまい、便秘、傾眠。他に頭痛、食欲不振、血圧上昇など。重大な副作用として痙れんや失神がある。 てんかんや痙れんの既往がある人は発作を誘発する可能性がある。また腎機能障害がある人も副作用が出やすいため事前に医師に伝えることが重要 |
昔は認知症の薬はアリセプトしかなかったのですが、現在は薬の開発が進み、今はこの4種類の薬が実際によく使われています。
認知症の薬に関して覚えておいてほしいことがあります。それは
☑ 認知症の薬は認知症を治すわけではなく、進行を遅らせる事が目的
☑ 勝手に服薬を中止しない。安易な 服薬の中止はむしろ認知症を悪化させるリスクがある
☑ 副作用の出方は人によって千差万別。服薬仕出してからの体調の経過に注意する
まとめ
認知症には4つの種類がある
①脳血管性
②アルツハイマー型
③レビー小体型
④前頭側頭型認知症
認知症の薬は主に4種類
①アリセプト
②レミニール
③イクセロン、リバスタッチ
④メマリー
認知症は一度発症してしまうと、基本的に治療はできません。そのため予防が重要ですが難しいことをする必要はありません。
食事・運動・睡眠といった基本的な生活習慣の見直しや、自分が楽しめる趣味などで社会参加することも有効です。
また最近では認知症予防に効果があるサプリメントも開発されており、そういった物を生活の中に取り入れる方も増えています。興味ある方はリンクを貼っておくので参考にしてみてください。
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