BPSD対応③「座っていられない」 実は○○ができる理由を探す必要があった

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認知症ケア

デイサービスやショートステイ、あるいは施設入所者のケアをしている職員が日々対応に苦慮していることの多いのが、今回紹介する「座っていられない」

1人で立ったり、歩いたりすると転倒のリスクが高い状態の人が急に立ち上がると「危ない」と思ってヒヤッとした経験ありませんか?そしてすぐに「危ないので座ってください」と半ば無理やり再び椅子に座らせようとする。しかしすぐに立ち上がろうとして目が離せない。この時多くの人がこんな事を考えていることでしょう。

「この人は認知症が進んでいて危険認識力が低下している。だから危ない事も分からず立ち上がってしまう」

この考えが100%間違っているわけではありません。しかし肝心な視点が抜け落ちているのです。それは

「なぜ立ち上がるまで、座り続けることができたのか」

ということです。これはどういう事かというと「立つ事と、座る事の背景にある理由は表裏一体」ということです。では具体的に理由を考えてみましょう。

 

座る理由

・立ったり、歩いたりすると痛みがある

・好きなTV番組を観ている

・椅子の座り心地がよい

・仲の良い人と同席で、会話が弾んでいる

・室温や空調の加減が良い

・馴染みの場所ということを理解しており、落ち着いて過ごせる

 

立つ理由

・痛み無く立ったり、歩いたりできる

・好きなTV番組が終わり、帰ろうと思った

・椅子の座り心地が悪く、お尻が痛くなってきた

・苦手な相手と同じ席。もしくは話し相手がいない為仲の良い人の所に行こうとした

・室温や空調の加減が不快(空調の風邪が直接当たる。窓から直射日光が直接当たって暑い等)

・本人にとっては見慣れない場所で落ち着かないため、移動しようとしている

 

どうでしょう。座る理由と立つ理由がセットになっていることが分かると思います。もし本当に座って過ごせるように支援したいのであれば、いかに利用者さんが快適に座って過ごせるのか。逆に立ち上がらないといけないような不快な状態を把握し、それを除去・軽減できるかという視点が必要です。

 

座って過ごしてもらうための対応方法

・長時間座り過ぎてないか?

人は長時間座り続けることは困難です。僕達も会議などで硬いパイプ椅子に長時間座っていたらお尻が痛くなってきます。その時無意識にお尻を少し浮かせたり、或いはトイレ休憩に途中で立ったりすることもあります。

しかし高齢になって、さらに認知機能も低下しているとちょっとだけ腰を浮かすなんてことは難しいので苦痛から逃れる為にシンプルな解決策として立ち上がっているということも考えられます。

この場合、可能であるなら職員と一緒に短距離歩行したり、少しの時間立って過ごしてもらう。また長時間座って過ごすことに疲れているようであれば少し横になってもらう、クッション性の高い物を使用するなどの対応が考えられます。

・落ち着かない環境や雰囲気を作っていないか?

働き者だった人が、周囲の職員が忙しそうにバタバタ動き回っているのに自分だけジッとしているのは落ち着かず「何か手伝わないと・・・」と思って立ち上がっているのかもしれません。

あるいは空調管理や苦手な人と同席。職員に「いいから座っていてください」等とムカッとするような事を言われてイライラしている可能性もあります。もしこれが原因であれば、落ち着いて過ごせる環境を整えることが必要です。

温度・湿度管理、座席の配慮。そして職員が忙しそうな雰囲気を出さないことも大切です。忙しい時は無意識にイライラ感が出ていて、それを利用者の人は強く感じてしまいます。余裕のもてる業務スケジュールや、仕事の手順を事業所で考える事も必要になります。

またできる人であれば、食事の準備を手伝ってもらったり、話が合う人と同席にして会話を楽しんでもらう事も有効な対応です。

・ムズムズ脚症候群の可能性はないか?

ムズムズ脚症候群とはしばらくジッと座っていると脚がムズムズして違和感を感じる症状です。この違和感は立ったり歩いたりすることで消えるので、その違和感を取り除く為に立ち上がっている可能性もあります。

このムズムズ脚症候群、発症の原因がまだはっきり分からない病気です。ただ薬の副作用が原因で起きている事もあります。その場合一度薬を処方している医師に相談して調整をすることで解決する可能性もあります。

 

まとめ

座っていられない人の対応は「座り続けることができた理由を探す」必要があります。

そして立つ理由と座る理由は表裏一体であること。それが分かってのであれば、座っていられるような対応が分かってきます。

「何で立つのか分からない」と日々悩んで、とりあえず利用者さんを座らせるだけになっている人は是非参考にしてほしいと思います。

 

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