介護事故の分析に使える「SHELモデル」とは?

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介護事故の要因分析 リスクマネジメント

この記事はこんな人の役に立ちます

毎回同じような事故が続いている。でも対策も「見守りをちゃんとしよう」みたいな意味がないものしか思いつかず、どうしていいか分からない。

皆さんの事業所では発生した事故に対して、今後同じような事故が起きないようにきちんと分析してますか?

きちんとした手法を用いながら、組織的に分析結果を導き、その内容に沿って対応策を実行するという、高度な対応ができているところもあるでしょう。しかし多くはなんとなく今後の対応を考えているだけではありませんか?

しかし、それではいつまでも同じような事故を繰り返す結果になってしまいます。この記事では事故の分析に役立つ手法「SHELモデル」について紹介します。

分析がきちんとできれば、有効な対策も立てる事ができますよ

SHELモデルとは?

SHELモデルとは?

人によるミス(ヒューマンエラー)が発生する要因を4つに分けて考える分析手法です。医療機関などでよく使われている手法ですが、他にも製造業、運輸産業、航空会社など一般企業でも事故の分析に使われるなどメジャーな手法です。

では、4つの要因について見ていきます。

①Soft ware(ソフト)

業務手順やマニュアル、就業規定、職員教育等の「管理的要因」

②Hard ware(ハード)

設備、機械や器具等の「物的要因」

例:車椅子のブレーキが緩んでいた、手すりがしっかり取り付けられていなかった、などによる設備面の不具合が原因で起きた事故

③Environment(環境)

・照明、温度、騒音などの「物的環境要因」

例:部屋が狭い、カーペットの段差につまずいた、、車の騒音で眠れなくて日中フラフラする等

・勤務シフト、利用者数と職員数、職場の雰囲気等「条件的環境要因」

例:勤務シフトの急な交代、恒常的な残業で職員が疲れている

④Live ware(人)

・事故に関わった当事者(利用者本人・職員)「人的要因(当事者)」

(例)職員の経験・技術不足、利用者の体調不良等

・当事者以外の関係者「人的要因(関係者)」

リーダーや管理職の不在、他の専門職種と協力や連携が取り辛い等

SHEL分析を実際に使ってみる

では実際にSHEL分析を使ってみましょう。

(事例)

利用者のTさん(80歳)は脳梗塞で右片麻痺。軽度の失語あり。性格的に遠慮しがちで口数は多い方ではないが、話しかけれれば話してくれる。

普段の移動は職員が側に付き添い、本人は4点杖で歩行。ゆっくりとではあるが大きな危険もなく歩けている。普段歩きたい時は自分で手を挙げたり、「すいません」と職員を呼んでくれる。

職員A(24歳)は入職3年目で仕事には大分慣れてきた。この日は昨日遅出勤務の後、早朝勤務の早出。さらに責任ある仕事を任されだしたこともあり、昨日は残業で帰って寝たのは0時を過ぎた頃であった。

朝食をソファーで待って座っているTさんが「すいません」と手を挙げたのを離れた位置から職員Aは確認。他の職員は離床やトイレ介助で近くにおらず、側にいた看護師は薬の準備をしていた。職員Aも整容ケアをしている最中であった為「ちょっと待ってください」とケアをしながらTさんに言った。

その後ガシャン!と大きな音がしたため見るとTさんが床に転倒しているのを発見。Tさんによると「トイレに行きたくて我慢できなかった」と言われる。立とうとした時に、近くに他の利用者の車椅子が置いてありその車椅子を手すり代わりに立とうとしたが、車椅子が動いてしまいバランスを崩した。Tさんは「職員を呼んだが、誰も気づいてくれなかったから一人で行こうと思った」と言われる。

また看護師によると便秘が続いていたため、前日に緩下剤を内服していたとの事。しかしその事を職員Aは把握していなかった。

 

この事例をSHELの4つの要因と、対応策ごとに見ていきます。

要因対応策
S
・Tさんが緩下剤を内服していた情報が共有されていない
・業務の優先順位が明確になっていない
・申し送りや情報共有の方法を検討
・業務マニュアルを見直し、優先順位を明確化する
H
・Tさんが立ち上がりにくいソファーに座っていた。・職員数が少ない時間帯は、動作のし辛いソファーでなく椅子に座ってもらう
E
・Tさんの近くに車椅子を置いていた
・離れた場所からではお互いに意思疎通ができなかった
・遅出→早出でかつ残業が慢性的に行われているなど職員が披露しやすい労働環境
・利用者の近くに車椅子を置かない
・ケアをする場所の検討、職員の配置を見直し、利用者と近くでコミュニケーションが取れるようにする
・職員に無理がかかるシフトの見直し。残業を減らせるよう、業務分担の見直し
L
・職員Aは慣れてきたこともあり、Tさんは一人で動かないだろうという思い込み
・Aさんは普段なら待てるが、緩下剤の影響でトイレが我慢できなかった
・看護師が朝の忙しい時間帯に薬の整理をして、ケアに協力できなかった
・職員Aと上司による面談。またリスク対応の研修などへの参加でスキルアップを図る
・業務手順を見直し、ケアが忙しい時間帯は看護師などの関連職種が協力できるようにする

このように事故を4つの要因にそれぞれ分けて、その要因毎に事故の対策を考える事ができます。

このSHEL分析の良い所は、手法自体は簡単かつシンプルでありながら的確に事故の原因と対策を考える事ができることです。

「いつも職員が適当に集まってカンファレンスするけど、結局偉い人(施設長などの管理職や主任などの役職者)が言いたいこと言って決定するだけで、あんまり効果的な対応ができていない」

そんな悩みを抱えている人は是非、このSHEL分析を使ってみてください。

 

参考文献

医療・福祉経営改善ナビ 分析ツール具体例

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