ケアマネの仕事をしていると、当然ですが利用者さんが事故にあうことがあります。
ここでいう事故とは転倒、外傷、誤嚥、誤薬、あるいは認知症高齢者が徘徊して行方不明になる等多岐にわたります。
その数ある事故の中でも、圧倒的に多いのが「転倒」です。ケアマネの皆さんも利用者が転倒を繰り返したり、そのリスクが高い人への対策に頭を悩ませることが多いのではないかと思います。
その転倒ですが、実は発生の背景にあるケアがきちんとできていないことが原因でよく起きている事が分かっています。それは・・・
排泄ケア
です。一体どういうことか?
まず転倒の例を挙げると以下のような状況がよく見られます
・歩いていて転倒
・ベッド⇔車椅子に移乗しようとして転倒
・車椅子から立ち上がって転倒
・トイレで尻もちをついて転倒
そして、そもそもどうしてそのような行為をしたのか紐解いていくと、ほとんどの場合で「トイレに行こうとして」という理由があります。
もし、この記事を見てくれている人は過去の転倒や今後発生した転倒の背景要因を確認してみてください。多くの場合、この排泄が要因としてあることが多いことが分かると思います。
逆に言えばこういうことです。
「転倒は排泄ケアが適切に行えれば、防げる確率が高くなる」
では、ケアマネとしてどうすれば良いのか?
やはりアセスメント段階で、利用者の排泄パターンや現状でのケア状況などをできるだけ細かく把握する必要があります。
・何時くらいにどれくらいの頻度で行くのか?
・自分でどれくらいの排泄行為が行えるのか?できない部分は誰が、どのような方法でケアしているのか?
・ケアが必要な人は、介助者にその事を知らせることができるのか?
・知らせる事ができない人は、トイレに行きたくなった場合の事前サイン(そわそわして落ち着かなくなる等)などはあるのか?
・頻尿、閉尿、便秘、下痢などはどうか?緩下剤などの薬を使用した場合は、通常時と排泄行動やパターンが異なるのか?
これ以外にもあると思いますが、結構確認したい項目はありますよね?しかし、ケアマネだけで全部詳細に把握するのは困難ですし、夜間の排泄パターンは在宅などでは特に把握し辛いです。
この点はサービス事業所などにも協力を仰ぎましょう。その際、排泄専用のアセスメントシートなどを用意し、記入してもらうなどできればいいです。
そして、アセスメントがある程度行えれば、その利用者の排泄パターンが分かってきます。そして、どの時間帯、どのような時がリスクが高いのかも見えてきます。
それが分かれば、先回りして、その時間帯などに適切なケアが行えるようサービスを調整したり、自分でやる人は環境を整えておくなど、事前にリスクマネジメントができます。
事故をできるだけ予防し、利用者が安全に生活できるよう支援するのもケアマネの仕事の一つです。転倒を予防したいが、なかなか効果的な対応ができていない人は是非参考にしてみてください。