主任ケアマネの管理者要件、猶予が認められる具体例とは?

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主任ケアマネの管理者要件、猶予が認められる具体例とは? ニュース

「主任ケアマネが居宅事業所の管理者でなければならない」

このルールは当初2021年4月から適用され、確保が難しい事業所は発表当初とてつもない不安に襲われたことは記憶に新しいです。

しかし現実問題として、どう頑張っても理論的に主任ケアマネが管理者を担えないケースが多数出てきた事から、国は実質的な延長措置を行いました。

その詳細については居宅の主任ケアマネ管理者要件、延長が決定を参照ください。

この中でどうしても管理者が主任ケアマネを担えない場合、1年間の猶予を設ける事が謳われていました。そして今回の介護保険最新情報VOL.843で具体的にどんな場合に1年間の猶予が認められるのかについて発表がありました。

令和3年4月1日以降、居宅介護支援事業所管理者となる者は、いずれの事業所であっ
ても主任介護支援専門員であることとする。
ただし、以下のような、主任介護支援専門員の確保が著しく困難である等やむを得ない
理由がある場合については、管理者を介護支援専門員とする取扱いを可能とする。
令和3年4月1日以降、不測の事態(※)により、主任介護支援専門員を管理者と
できなくなってしまった場合であって、主任介護支援専門員を管理者とできなくなっ
た理由と、今後の管理者確保のための計画書(別添)を保険者に届出た場合
なお、この場合、管理者を主任介護支援専門員とする要件の適用を1年間猶予する
とともに、当該地域に他に居宅介護支援事業所がない場合など、利用者保護の観点か
ら特に必要と認められる場合には、保険者の判断により、この猶予期間を延長するこ
とができることとする。
(※)不測の事態については、保険者において個別に判断することとなるが、想定さ
れる主な例は次のとおり
・本人の死亡、長期療養など健康上の問題の発生
・急な退職や転居 等
・ 特別地域居宅介護支援加算又は中山間地域等における小規模事業所加算を取得できる場合

引用:介護保険最新情報VOL.843 第二 改正の内容1 管理者要件(改正省令第1条)

 

令和3年3月 31 時点で主任介護支援専門員でない者が管理者である居宅介護支援事
業所については、当該管理者が管理者である限り、管理者を主任介護支援専門員とする
要件の適用を令和9年3月31 日まで猶予する。

引用:介護保険最新情報VOL.843 第二 改正の内容 2 管理者要件の適用の猶予(改正省令第2条)

今回の発表で分かった事をまとめるとこんな感じです。

 

基本は来年の4月1日以降は居宅の管理者は主任ケアマネでないといけない。

ただし

主任ケアマネもっていない管理者が管理者を辞めずに続けるという条件でなら、令和9年3月31までは猶予する

それ以外でも

①管理者が死亡
②管理者が病気で長期療養が必要
③管理者が急に引っ越したり退職した
④小規模事業所加算が取得できるような田舎の事業所
この場合は特別に1年間だけ管理者が主任ケアマネをやってもいい(もちろん、その期間中に事業所が主任ケアマネを管理者にできるよう最大限の努力が必要)
1年という猶予期間に関しても保険者の判断で延長が可能(このルールは主に小規模事業所加算を取っているような、主任ケアマネどころか普通のケアマネすらほとんどいないような田舎の事業所を主なターゲットにしていると想定される)
居宅の管理者要件について、最終的な判断が市町村に委ねられたのは大きいかもしれません。市町村との相談次第では猶予期間を延ばせる可能性が増えたうえに、国が示した具体例以外でも猶予が認められやすくなったとも言えるからです。
例えばですが、管理者の主任ケアマネが産休に入ることになり1年間主任ケアマネが不在になる。この場合主任ケアマネ以外が管理者を代行することは認められるのではないかと思います。
さらに1年間で戻る予定であったが、体調が優れなくなったり、戻る寸前にまた妊娠が発覚して産休を延長したいと申し出があった場合等。こういった判断に迷うケースも出てくると思いますが、保険者との相談で猶予してもらえるかどうかが決まります。
この辺りの判断は都会で事業所の数が多いような市町村は厳しく、逆に事業所数が少ないような田舎の市町村の方が緩い等地域差が生じる事も考えられます。
いずれにしろ、管理者の主任ケアマネが何かしらの理由で不在になった場合のリスクも想定した事業所の運営が今後は必要になるでしょう。

 

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