僕達ケアマネにとって朗報が入りました!それは今年1・2位と言っても過言でない論争になっていた「ケアプラン有料化問題」が先送りになりました。
政府は十九日、高齢者が介護保険サービスを利用する際に必要な「ケアプラン」(介護計画)の有料化を介護保険制度の改正案に盛り込まず、先送りする方向で調整に入った。介護費の膨張を抑えるため議論している制度見直しの焦点となっていたが、一律に自己負担を求めることに与党内から慎重論が相次いだため判断した。
引用元:中日新聞
正直この問題はもう既定路線感が強かったので、時期改定の2021年には有料化になること前提で多くのケアマネが考えていたと思います。どちらかというと論点は「普通に1~3割負担にするのか」「500円など定額制でいくのか」といった内容でした。
そして僕達現役ケアマネからすると「自己負担の徴収はどうやるか」「滞納があった場合の対応はどうするか」という事を考えなければいけない時期にきていました。そういった時期にまさかのドンデン返しです。
でも書いたように大きな話題になっていた管理者要件の延長に重なるように、ケアプラン有料化も延期になったのは嬉しい限りです。
しかし、油断は禁物です。あくまで「先送り」ですので恐らく金の亡者である財務省は「今回は温情をかけてやったが2024年には何が何でも絶対に有料化にしてやる」と躍起になって推し進めてくるでしょう。そうなると2025年直前には管理者は主任ケアマネでないといけないし、ケアプランは有料化されるしで、ある意味将来的にはハードなスケジュールになったとも言えます。
そもそもですが、財務省が言うほど有料化によって財源が抑制されるのかが疑問です。
2018年4月末で、全国で要介護(要支援)認定者数は644万人です。仮にですがこの人達に対して全員500円ずつ徴収したとすると
6.440.000 ✕ 500円 =3.220.000.000円(約32億2千万円)
一見すごい数字に見えるが2019年度の介護費は11.7兆円。そのうちの32億なんてわずかな効果しかありません。しかも有料化のデメリットは数多くあり
・御用聞きケアマネの増加によって、余計にサービス費用が増加する
・自己負担の支払いを負担に感じ、低所得者層がそもそも入口部分のケアマネに相談しなくなり重度化してから相談することで、結果的にサービス費用が増加する
・セルフケアプラン作成業者による、自社の囲い込み等制度の不正利用の増加
この結果32億以上の金の負担が増えてしまえば、最早本末転倒でしょう。賢いエリート集団である財務省の人間が、僕のような普通の一般人でも分かる事が分かっていないとは思えません。介護の現場を知らない事が原因での発想なのか、別の狙いがある可能性もありそうです。
この有料化の議論については僕達ケアマネも進捗状況を随意確認していく必要がありそうです。