多職種連携のキーワード「生活支援記録法(F-SOAIP)」とは?

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多職種連携のキーワード「生活支援記録法(F-SOAIP)」とは? 支援経過記録

皆さんは「生活支援記録法」をご存知でしょうか?

生活支援記録法(F-SOAIP)実践・教育研究所代表の共同代表者の嶌末憲子氏と小嶋章吾氏によって開発された記録法で、6つの視点「F-SOAIP」に沿って記録を整理し、誰が見ても内容が理解しやすい記録法です。

多職種連携の促進に期待されており、いま国や自治体などからも注目を浴びている手法です。今回は生活支援記録法について、「医療、福祉の質が高まる生活支援記録法【FーSOAIP】」から紹介させていただきます。

参考書籍

6つの視点「F-SOAIP」とは?

6つの視点「F-SOAIP」とは?

生活支援記録の肝である6つの視点「F-SOAIP」の意味は以下の通りです。

Focus(着眼点)

ニーズ、気がかり等。

Subjective Data(主観的情報)

利用者の言葉

キーパーソンの場合、S(関係や続柄)と表記します。

Objective Data(客観的情報)

S以外からの情報。

観察・状態や他職種から得られた情報、環境・経過等

Assessment(アセスメント)

援助者(記録者本人)の主観や判断・解釈。気づきや考えを記載します。

Intervention/ Implementation(実施・実践)

 援助者(記録者本人)の対応。支援、声かけ、連絡調整、介護等。

Plan(計画) 

当面の対応予定

引用:生活支援記録法(F-SOAIP)実践・教育研究所HPより一部抜粋

では、それぞれについてもう少し深堀りしてみましょう。

①「F」 Focus(着眼点・タイトル)

これは簡単に言えば、その記録のタイトルです。本や新聞の見出しのようなものです。

ただしポイントがあります。それは「あまり大きな意味のタイトルにしすぎない」ということです。

例えばFを「モニタリング」等としてしまうと、それに続くSOAIPも範囲が広がりすぎてしまい、結果として内容が整理しにくくなってしまいます。

(記載例)

歩行の様子、体調、家族の様子、等

②「S」 Subjective Data(主観的情報・本人の言葉)

Sは本人の言葉です。家族はS(続柄)で表します。

本人や家族の発した言葉や言い回しをそのまま表現する事から、記録者の主観が入る懸念がありません。

その為には本人や家族の言葉をしっかり「聴く」力が重要になります。

聴く力に関しては傾聴はただ話を聞くだけではない「相手を〇〇すること」 傾聴の正しい方法とは?を参照してください。

(記載例)

本人:「先週、友達と一緒にタクシーに乗ってカラオケに行ったんですよ」

長女:「最近母は買った物を忘れて、同じ物を買ってくる事が増えてきました」

③「O」 Objective Data(客観的情報・本人や家族以外からの情報)

Oには主に2つの種類があります。

①事実として確認できる情報

環境(温度や湿度、住環境等)、ADLやIADL、表情、内服カレンダーの状況といった情報です。

(記載例)

・本人夫婦、息子夫婦、孫が写った家族写真がベッド脇に飾られている。撮影日は10年前。

・廊下を固定型歩行器を使いながら歩行している。

・お薬カレンダー(1週間分)を確認。約半分飲み忘れあり、特に朝の薬の忘れが多い。

②他職種からの情報

他職種からの情報は「職種名」で記載します。事業所からの連絡やカンファレンスなどで活用します。

(記載例)

訪問看護◯◯氏より。「前回訪問時5日程排便が出ていないと、主介護者の長女より言われました。その影響か食欲が低下しているようです」

④「A」 Assessment(アセスメント)

ここには記録者の気付きや考え、判断、考察などを記載します。

支援にどのような意味や効果があったのか?それを自分自身で振り返る為の、リフレクション機能とも言えます。

(記載例)

本人:「手押し車は年寄りみたいだから使いたくないわ」

歩行状態は、円背により前傾姿勢があり前方へのふらつきが見られる。

通所リハPT◯◯氏より。歩行器を活用することで背筋が伸び、支持基底面が拡がる事でふらつきからの転倒リスクは軽減する。

A:歩行器を活用することで姿勢が改善し、歩行しやすくなると思われる。しかし本人はそれよりも見た目を気にされている事から導入は難しいかもしれない。

次善策として、杖の活用を提案してみてはどうだろうか?

⑤「I」 Intervention/ Implementation(実施・実践)

実際に行った支援について記載します。ケアマネジャーの仕事の証明にもなる部分です。

(記載例)

前回主介護者の長男妻より相談のあった受診の負担について。

本人と長男妻に訪問診療の導入の提案と、内容について說明。本人・長男妻共に同意される。

⑥「P」 Plan(計画) 

これは今後の方針や予定について記載する部分です。

これを記録することで、ケアマネジャー自身も今後の支援の方針を明確にし、記録の読み返しをするきっかけにもなります。

(記載例)

次回◯月◯日の受診に同行する。

その際主治医にお薬が大きくて飲みにくい事、また1日に何回も飲まなくてはいけないのが飲み忘れの原因とも考えられる為、回数を減らせないか相談する。

具体事例から見るF-SOAIP

具体事例から見るF-SOAIP

事例経緯

・80代の夫と同居。
・隣市に、次女が住んでいる。
・もともと社交的な性格であり、最近まで徒歩15分程の老人福祉センターに自転車を杖代わりに出かけて仲間との交流を楽しんでいた。
1年ほど前から物忘れの他に夜間夢うつつで大声を出す症状が見られ、もの忘れ外来を受診。レビー小体型認知症の可能性があると診断を受け、服薬治療を開始。現在症状は緩和している。
・忘れっぽく、同じ話を繰り返すことが多い。薬の管理も苦手となった。しかし本人は困った様子はなく、夫も仕方ないと考えている。
・円背や膝の痛みがある。自宅内はつかまり歩きとなっているものの、日常生活はおおむね自立している。

FーSOAIPを用いた実際の記録

F 長女の認知症への理解

O いすに座りティッシュをハサミで切りながら笑顔で近況を話される。

S 本人:「この前センターに出かけてお喋りをしてきたのよ」

S 長女:「いつ行ったんだっけ。向こうで何して来たの。誰に送ってもらったの」

A もの忘れの悪化を心配する長女の思いだと考えられるが、かえって本人の困惑の要因となる為、関わり方を理解してもらう必要がある。

I 出来事を忘れっぽくなっているが、それで本人が困っているわけではない。センターで楽しんできた事を共感するのが良いと思う。

P お互いにストレスなく過ごせるよう、長女に認知症の理解の為の資料を用意、アドバイスを行う。

 

 

F 歩行状態

O いすや壁に掴まり背中を曲げ、すり足でトイレへ行かれる。

S 本人「足がなかなか動かないのよね、少し歩けば動きやすくなるけど。この前センターまで出かけたのよ」

S 夫「自転車を押してね。行きは俺がついて行ったんだ」

A 円背や膝痛のほか、レビー小体型認知症の影響によるすくみ足だと思われる。ある程度の距離は外出されているが、立ち上がりや歩き始めにバランスを崩す恐れがあり注意が必要。

I 立ち上がりや歩きはじめにふらつきがあるので、つかまりながら気をつけて歩いてほしい。

P 週2回のデイサービスでの歩行状態の評価や支援を依頼する。

 

解説

2つの焦点ごとに情報を分けて記録しています。

①長女の認知症への理解:本人の心配する長女の言葉を記録。その思いを理解しつつも、関わりの助言を行った

②歩行状態:レビー小体型認知症の症状である歩行不安定について、実際の歩行状態や本人・夫の言葉を記録。自宅での対応やデイサービスとの連携について方針を示した。

まとめ

これからの多職種連携を加速させる鍵になる生活支援記録法

「F-SOAIP」の6つの視点から記録をつけていく方法

Focus(着眼点)ニーズ、気がかり等
Subjective Data(主観的情報)利用者の言葉。キーパーソンの場合、S(関係や続柄)と表記
Objective Data(客観的情報)S以外からの情報。観察・状態や他職種から得られた情報、環境・経過等
Assessment(アセスメント)援助者(記録者本人)の主観や判断・解釈。気づきや考えを記載
Intervention/ Implementation(実施・実践)援助者(記録者本人)の対応。支援、声かけ、連絡調整、介護等
Plan(計画) 当面の対応予定

この記録方法、使ってみると分かるのですが方法はシンプルなのに、要点が誰が見ても分かりやすく、記録する側も6つの視点に沿って落とし込んでいくだけなのでいちいち「どうやってまとめよう」と迷わない等、メリットが大きい方法です。

記録の書き方に悩んでいる人は、一度この方法を試してみる事をオススメします。それだけで専門職としてのレベルが跳ね上がり急に「デキるやつ」になる可能性が高いです。

さらに詳しく知りたいという方は、リンクを貼っておきますので書籍を買って勉強してください。

不思議なもので記録が自信をもって書けるようになるだけで、ケアマネの仕事そのものも自信をもってやれるようになります。この記事を読んでくれた人には是非そうなってほしいと思います。

参考書籍

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