ケアマネの実践でよく見る薬10選 ~この薬だけは知っておこう~

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医療連携

ケアマネが支援している利用者さんは、介護保険を利用しているからには全員かかりつけの病院があり、そこで定期的に受診し薬をもらっている人がほとんどです。

しかし、僕のような福祉系職種のケアマネは薬の名前ってあまり聞き慣れないし、その薬がどんな効果があって、どんな副作用があるのかとか分からないことが多いです。

そこで、僕がこれまでのケアマネ業務の経験から飲んでいる人が多かった薬を10個選んでみました。

 

お薬10選

①アマリール

主作用:インスリンの分泌を促す。糖尿病の人に使用

副作用:低血糖症状を起こす事があります。

糖尿病の人に処方される飲み薬です。食前・または食後に内服するのですが、在宅だと飲み忘れて血糖コントロールが上手くできなかったり、内服するタイミングを間違えて低血糖などの症状が出ることがあります。

もし血糖値コントロールや、低血糖症状等が出ている場合は指示通りの内服が本当にできているか、確認する必要があります。

②ワーファリン

主作用:抗血栓作用。

副作用:出血が止まらなくなるため、外傷に注意が必要

脳梗塞や心筋梗塞の治療や予防に使われる、かなり有名な薬です。

この薬は「血液をサラサラにします」と説明されるように、血栓予防の効果がある反面、出血すると止まりにくくなるという大きな副作用があります。その為、内服している人は転倒などによる外傷のリスクを軽減できるマネジメントが必要になります。

また歯科受診などで抜歯が必要になった場合、少しの間内服を中止する必要が生じることがあります。そのような場合、きちんと医療機関に内服情報を提供できるようにしましょう

③アムロジピン

主作用:高血圧の人の血圧を下げる

副作用:ほてり(熱感、顔面潮紅など)、めまい・ふらつき、頭痛等

高齢者は高血圧の人が非常に多く、そのせいかこの薬を飲んでいる人も多いです。

しかし飲み忘れて血圧が高いまま受診して、薬の量が追加されて逆に血圧が下がりすぎる恐れもあります。内服状況などを適切に主治医などに情報提供することが大切になると思います。

④抑肝散

主作用:認知症による中核症状・周辺症状の緩和

副作用:発疹、発赤、かゆみ、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢、眠気、倦怠感など

認知症の薬と言えば一番有名なのは「アリセプト」です。

ただこのアリセプトは副作用の強さも有名で、認知症と初めて診断された方や、それほど症状が深刻でない方にすぐ使うにはリスクもあります。

その点この抑肝散は漢方ということもあり、副作用がないわけではありませんが、アリセプトよりはそのリスクが少ない事からまずは抑肝散から処方する医師も多いです。

さらに複数の中核・周辺症状にも効果が出やすく「イライラしていたのが、この薬を飲みだしてから穏やかになってきた」と主介護者の家族から聞かれることもあります。

⑤リスペリドン

主作用:向精神薬。主に不安感、緊張、イライラ等の症状が強い時に使用

副作用:アカシジア(じっとしていられない)、不眠、体が震える、便秘、落ち着きがなくなる、眠気等

認知症やうつ、統合失調症などの精神疾患により不穏が強く、それにより日常生活に支障が出ている人に対して使われる薬です。

ただし副作用のリスクも強い印象で、効きすぎると眠気が強くなりすぎて日中起きていられない、意欲や活動性の低下などに繋がることもあります。その為服用後の生活の様子をこまめに処方した医師に伝えて、必要な調整を行ってもらうことが大事になると思います。

⑥マグミット

主作用:緩下剤

副作用:下痢

高齢者は便秘の人も多く、この薬は緩下剤の中でも最もメジャーと言える薬です。

ただ、指示通りの量では出ないからと多量に飲んで余計に効かなくなったり、下痢になることを嫌って飲まなかったりと、以外と指示通り飲めてないことが多いのもこの薬の特徴かもしれません。

排便の状況次第で、増減させてもいいという指示が主治医から出ることもありますので、そういった事を確認しながら内服できるように支援していきましょう。本人・家族判断で勝手に増減させているとかえって便秘や下痢などの症状が悪化することがあります。

⑦マイスリー

主作用:睡眠導入剤

副作用:発疹、そう痒感、ふらつき、眠気、頭痛、倦怠感、残眠感、悪心、等

最も有名な眠剤の代名詞がこのマイスリーではないでしょうか。高齢者は不眠を訴える人が多く、眠剤を内服している人も多いです。

ただ、現在特別不眠でもないのに、過去の処方がそのまま長期間継続していたり、その影響で内服量を増やさないと眠れなくなっており、結果指示以上の量を勝手に飲んでいる人もいます。

薬が効きすぎていると日中の眠気から活動性が低下したり、転倒のリスクに繋がることもあります。

本来眠剤は不眠のタイプ(入眠障害、中途覚醒、早期覚醒、熟眠障害等)に応じた薬を処方してもらわないと意味がなく、かえって副作用のほうが強くなり利用者に不利益を与えることにもなります。利用者から細かく睡眠状況を聞き取り、それを薬を処方している医師に伝え、適切な処方をしてもらえるように支援をしましょう。

⑧ロキソニン

主作用:抗炎症による痛みの緩和

副作用:胃部不快感、みぞおちの痛み、腹痛、吐き気・嘔吐、食欲不振、浮腫・むくみ、発疹、蕁麻疹、眠気、発熱、そう痒感、など

痛み止めの薬はたくさんありますが、その中でも有名なのがこのロキソニンだと思います。最近では処方箋なしでドラッグストアでも購入が可能になっています。

腰や膝の痛みを訴える人は多く、その為多くの利用者がこの痛み止めを常用しているケースが多いです。

しかし、有名な副作用として胃を荒らす事がありますが、他にも腎臓にもダメージを与える為、腎機能が低下している人には本来慎重な処方が必要になります。

しかしこの痛み止めは長期間飲んでいると効果が減少してきて、結果指示以上の量を勝手に内服して副作用による障害が強くなることも多いです。

疼痛緩和は内服だけに頼るのではなく湿布や塗り薬、コルセットの着用、運動の機会を作る、生活習慣(誤った姿勢で座ったり、寝たりしていると痛みを増強させる)などからアプローチする必要があると思います。

⑨ムコダイン

主作用:痰や鼻汁を出しやすくする

副作用:食欲不振、下痢、腹痛、発疹、湿疹、紅斑、浮腫、発熱、呼吸困難、など

痰切りといえばこのムコダイン。高齢者は痰が絡みやすく、長期間常用している人もいます。痰が絡むと呼吸もし辛く、しんどい状態になるため症状を和らげてくれるこの薬はありがたいものになります。

⑩ゲンタシン軟膏

主作用:皮膚のかぶれ等の緩和

副作用:発疹等

最後は内服ではなく、皮膚のただれなどに使用する軟膏です。

高齢者は加齢による体内水分量の減少から皮膚が乾燥しやすい、また免疫力の低下から細菌やウイルス、紫外線などの外的刺激によって皮膚トラブルを起こしやすいです。

このゲンタシン軟膏は細菌による皮膚ただれなどに使用され、「とりあえずゲンタシン軟膏」というくらい使用している人がよくいます。

ただ正しく患部に塗布できていなかったり、塗布した後おむつやパットの交換などが適切にされていない、入浴をしていない等患部が不衛生で結果治りが悪いこともあります。なかなか治らない場合は、そのようなケアが適切に行えているかの確認も必要です。

 

まとめ

覚えておきたい薬10選をまとめると

①アマリール

②ワーファリン

③アムロジピン

④抑肝散

⑤リスペリドン

⑥マグミット

⑦マイスリー

⑧ロキソニン

⑨ムコダイン

⑩ゲンタシン軟膏

これ以外の薬もたくさんありますが、正直覚えきれないと思います。ひとまずこの薬だけでも覚えておけば、実践ではある程度役に立つと思います。

またこれを機に、お薬に関しても興味を持っていただき「看護師さんが言っていたあの薬ってどんな薬なんだろう?」と思ったら調べる癖をつけるといいです。そうやっていると自然と知っている薬が増え、結果医療職との連携への苦手意識も軽減していきます。是非参考にしてみてください。

 

 

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