4月10日の社保障審議会で日本介護支援専門員協会の小原秀和副会長が、問題になっている居宅の管理者要件を2021年に主任ケアマネにする件について、経過延長処置を要望した。
管理者を主任ケアマネジャーに限定する居宅介護支援の運営基準の厳格化をめぐり、日本介護支援専門員協会の小原秀和副会長は10日の審議会で、2021年3月までとなっている今の経過期間を延長するよう要望した。
「厳格化が決まる前から事業を行っている事業所の中には、努力しても実務経験の課題(*)を解決できないところがある」
* 主任ケアマネになるには5年以上の実務経験と70時間の研修が必要
小原副会長はそう指摘。「経過期間の延長など柔軟な対応の方向性を決める必要がある」と意見した。
厚労省はこの厳格化を、ケアマネジメントの質の向上につなげることが目的だと説明している。2018年度の介護報酬改定をめぐる議論のプロセスで、3年間の経過期間をおいて2021年度から完全実施する決断を下した。ただ一部の現場の関係者は、「主任ケアマネを確保できない事業所もあるのでは」といった懸念の声をあげている。
厚労省は先月、全国5000の居宅を対象とした最新の調査結果を公表。管理者が主任ケアマネの資格をまだ持っていない事業所の割合は、昨年10月の時点で43.7%にのぼっているとした。主任ケアマネではない管理者の実務経験も調べ、残り2年の経過期間では資格の取得がどうしても難しいとみられる3年未満の人が、全体の17.2%いたとも報告している。
小原副会長の要望はこうした実情を踏まえたもの。地域で活躍できなくなる事業所が出ないよう、高齢者が不利益を受ける事態を生じさせないよう、一定期間の救済措置をとるよう注文した格好だ。厚労省は今後、主任ケアマネ研修の受講状況などを見つつ判断していくとみられる。
引用:ケアマネタイムスより
これに対して自分はまず思ったのが
「先日のアンケートは結局何だったの?」
ということである。3/18付で各都道府県支部にアンケートを送付。つまりまだアンケートの明確な集計結果が出る前にこの反応の速さ。
これはつまり、管理者要件を主任ケアマネに限定することに賛成した段階から
「これにほとんどのケアマネは反対するだろう」
↓
「会員が減ってもいけないから、適当な時期になったらアンケートとか取っておいて、結果は反対派が多いだろうから、その後延長措置の要望をしておこう」
↓
「思った以上に炎上していてヤバイ・・・。早めに延長措置要望しておこう」
メチャクチャ穿った考えであることを分かったうえで、敢えて書かせてもらうとこんな思惑が見え隠れしてるように感じます。
ここで「3/18付のアンケート結果から70%以上の会員が反対しており、どう努力しても2021年に管理者要件を満たせない事業所が○%あり、利用者の利益を損なわない為にも延長を要望します」というような事は語られていない。一体このアンケート結果は何に使われるのか、現段階では全く不明です。やはりパフォーマンス感が拭えないですね。
管理者が主任ケアマネに限定されれば、対ケアマネに講師業などで稼いでいる人達は今まで以上に仕事が舞い込んできて、相当な収益を得ることが想像できる。この延長措置はそういう人達にとっても”おいしい”話です。なぜなら、短期間で捌ききれない仕事をこなして、ピークが下がるより、ある程度長い期間ピークが続いたほうが最終的な利益は大きくなるからです。
そもそも主任ケアマネは極端な話「5年の実務経験(施設ケアマネは除く)があって、研修さえ受ければ誰でもなれる」レベルの資格です。つまり5年以上の実務経験があることをただ証明するだけのもので、管理者として相応しいかどうかはまた別問題だということです。
今回の延長措置要望では具体的な延長時期はまだ示されていませんが、せめて次の次の改正、つまり2024年くらいまでは延長するのが妥当ではないでしょうか?
今後、この件については経過を見守っていきたいと思います。