モニタリングって何すればいいの?観察すべき視点を解説

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モニタリング

僕がまだ初任者の頃、結構悩んでいたのがモニタリングでした。

何が悩みかというと

「家に訪問しても話す事はいつも同じ。後は世間話して帰るだけ。これって意味あるの?」

こんな思いを悶々と抱えたままモニタリングをしていました。

こうなった原因は「モニタリングの目的と、それを達成する為の視点を持っていなかったから」

漠然と「ルールで月に1回しないといけないから行くだけ」では何の意味もなく、モニタリングされる利用者や家族も嫌になりますよね

モニタリングの目的は

「ケアプランがプラン通りに実施され、事前に期待していた効果がどの程度出ているか。効果があまり見込めてない場合の原因分析と修正の検討」

一言で言えばこうなりますが、これをする為にはちゃんとした視点を持ち合わせていないとできません。

なので、今回はモニタリングを行う際に必要な視点を紹介したいと思います。

医療的なモニタリング視点

医療的なモニタリング視点

①急変時に備える

医療面のモニタリングで最も重要なのが異変の早期発見と対応ができるかどうかです。

予測できない突発的な急変もありますが、予測可能なものも多いです。基本情報や主治医や訪問看護師などから得た予後予測に基づき起こりうるリスクを本人、家族を含めた全員で共有し、急変時などの対応方法を決めておく事が大切です。

そうすることで万が一の時にも落ち着いて適切な対応が可能となります。

②利用者の病識を知る

利用者が自らの病気をどう認識しているのかを確認するのも必要です。

その為には受診日を把握しておき、その直後に訪問するなど工夫します。

「先生は病気のことについてどのように言っていましたか?」と本人に質問、あまり病識が無い場合でも繰り返すことで意識の向上に繋がることがあります。

③家族による医療処置の状況

家族が胃ろうや褥瘡、痰の吸引など行っている場合は適切に処置が行えているかどうかも注意して観察します。

もし自分では判断できないような場合は訪問看護師などにチェックや評価をしてもらい情報をもらうなど必要な連携を行うといいです。

④服薬の状況

利用者が服薬をどの程度指示通りできているのかを確認します。あまりきちんと服用できていないようなら原因を考えます。

(例)認知力の低下による飲み忘れ、副作用が怖くて飲まない、これはもう良くなったから飲まなくて良いと思っているなど薬への理解不足・・・等

薬があまり飲めていないようなら薬を処方しているDrにもその事を情報提供し、今後の処方をどうするかを一緒に考える事も大事になります。

⑤口腔内の状況

「食欲がなくなった」「固いものを食べなくなった」「義歯を外すことが多くなった」「口臭がきつくなった」などの場合は口臭状態をチェックします。かかりつけの歯科医がいるなら連携を行い、情報を得ることも有効です。

かかりつけの歯科医がいない場合は、居宅療養管理指導などを利用し定期的な訪問診療を行えることで適切な支援ができる可能性があります。

自宅内の環境観察ポイント

自宅内の環境観察ポイント

自宅訪問時は以下に挙げるポイントを踏まえてモニタリングを行っていきます。ただし全ての利用者に対して全てのポイントを見るのではなく、その人にとって必要な「見るべきところ」のみ観察を行います。その為訪問の前にどこを見るのか決めて行くとスムーズなモニタリングができます。

そしてその観察ポイントの「変化」に気づけるようにすることが大事です。(今までと比べて庭が雑草だらけ等)

そしてその変化をもとに「仮説」を立てます。

例えば庭が以前より雑草だらけになっているなら、草抜きが下肢筋力の低下や持病の進行による体調が理由でできない、或いは意欲の低下が原因で行えなくなっているのではないか、等です。

その仮説を確かめる為に利用者や家族、或いは事業所や主治医などに質問する事で正否を確認する。こういった視点をもってモニタリングを行っていくといいです。

①玄関周辺

・玄関周り

汚れ具合、落ち葉などが掃かれているか、ゴミが出しっぱなしになっていないか、鉢植えの花などが手入れされているか(ずっと枯れっぱなしではないか)

利用者本人が掃除をしているならADLの低下や周囲への興味関心が薄くなっているかもしれない、家族が掃除をしているなら介護負担などが増して掃除に手が回らなくなっているかもしれない。そういった事を予測していきます

・呼び鈴を鳴らす

呼び鈴を押して玄関に出てくるまでの時間が以前より長くなっていたら歩くのがしんどくなっているかもしれない。

呼び鈴になかなか気づかないような場合は耳が遠くなっているかもしれない。

呼び鈴を鳴らして玄関に出てきたはいいが「今日は訪問の日だっけ?」と以前はなかった約束を忘れるなどがないか。(記憶力の低下)

・におい

玄関の臭いは色々なことを教えてくれます。

尿臭がすれば失禁の可能性、調理の臭いはそうした習慣が継続している、或いは焦げ臭い臭いがしたら鍋焦がしなどがあったかもしれない。

空気がよどんだ感じなら窓を閉め切って過ごしており換気がされていないかもしれません。

・靴

玄関に利用者の靴があるかどうか。なければ外出をしていないかもしれない。

また靴があっても揃ってなければ上手く脱ぎ履きできなくなってきたのかもしれない、等。

・玄関の飾り

季節ごとに玄関の飾りを帰る家もある。(3月には小さな雛人形を置くなど)それが変わらなくなったり、或いは何も飾らなくなってきたらADLの影響で変えれなくなったのか、またはそんな事をしたいと思わなくなったのか、などの事が推測できます。

その為玄関に何が置かれているのか見ておくと良いです(後で会話の糸口にもなるので)

②部屋の中

・カレンダー

カレンダーがめくられて更新されているか、またカレンダーに予定を書き込む人はそれが行われているかどうか。こういった事が行われないようになってくると日付への関心が薄れてきた等が推測できます。

・壁の手垢

黒く汚れた廊下の壁などは普段利用者がよく手をつく場所という事も考えられます。こういった汚れからどこを持って移動しているのかなどが分かり、手すり取り付けの際にも参考になります。

・飾っている写真

飾ってある写真から色々と推測できる。誰とよく写っている写真が多いか、その時どんな表情をしているのか、どんな場面での写真が多いのかなどでその人の家族との関係や趣味などが分かります。

ただしこれは写真を定期的に変える人の場合はモニタリング対象になる(写真の内容の変化、或いは写真を変えなくなった、等から様々な推測ができる)が特に変えないような人の場合はアセスメントで見るべき項目になります。

③日中過ごす場所の変化

利用者は大体いつも決まった場所に腰を下ろしてテレビなど観て過ごす事が多い。それが変わった場合は様々な事が推測できます。

座る席へのこだわりがなくなった、家庭内での役割が変化した、耳が聞えづらくなってテレビに近いところに移動した、トイレが近くなってトイレに近いところに移動した、床に座っているのが大変になってイスのある所に行った・・・等

なお本人の移動と一緒にテレビの場所も移動していれば家族のなかで大切にされている可能性が高いです。

④台所

「料理ができなくなった」とはなかなか言い出しにくいものです。

その為料理をしているかどうかは三角コーナーのゴミや調理器具が出ているかどうかで推測できます。

台所マットが染みなどの汚れが目立つようになっているなら料理中に失敗したり、運ぶ際にこぼすことが増えているなどADLの低下が推測できる。

また洗面所に合った歯ブラシが台所に置かれるようになっていたら、洗面所に行くのがしんどくなっている、また洗面所の高さが合わなくなっていることなどが考えられます。

⑤利用者の周囲に置かれた物の変化

利用者のテーブル、或いはベッドサイドなどに物が増えていれば動くのが億劫になり活動性の低下が考えられます。

床で布団を敷いている人などで、今までは立った時に取れる高さにあった物が寝たまま取れる高さに置かれるようになっていれば、立つ動作がしんどくなっていることが考えられます。

また今まで好きだった趣味の本や編み物などが減ってきていれば物事への興味関心が薄れていることが考えられます。

まとめ

医療的なモニタリング視点

①急変時に備える
②利用者の病識を確認する
③家族による医療処置の状況
④服薬の状況
⑤口腔内の状況
自宅内の環境観察ポイント
①玄関周辺
②部屋の中
③日中過ごす場所の変化
④台所
⑤利用者の周囲に置かれた物の変化

いかがでしょうか?「視点が多すぎて分かりません」と言われそうですが、これ全部を観る必要はありません。

観るべき視点はケースごとに異なるのが普通です。「この利用者のモニタリングは今回ここを観てみよう」とまずは2つ3つくらいの狙いを事前に決めてからモニタリングするだけも、質が自然と向上してくると思います。

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