低所得高齢者の新たな受け皿「日常生活住居支援施設」とは?

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低所得高齢者の新たな受け皿「日常生活住居支援施設」とは? 社会資源

皆さんは4月から日常生活支援住居施設という仕組みがスタートするのを知っていますか?

この新しい社会資源制度は、ケアマネであれば知っておく必要があると思いますので、紹介します。

日常生活支援住居施設とは?

日常生活支援住居施設とは?

まず大前提として無料低額宿泊所について知っておく必要があります。

無料低額宿泊所とは?

社会福祉法第2条第3項に規定する生計困難者のために無料又は低額な料金で宿泊所を利用させる事業を行う施設の設備及び運営について(平成15年7月31日 社援発0731008号 厚生労働省社会・援護局長通知)
1 生計困難者に簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所その他の施設を利用させることを目的とし、かつ、 近隣の同種の住宅に比べて低額であるか、又は1か月当たりの料金を住宅扶助で賄うことができる宿泊所については、他の法令で定める施設であるものを除き、3の届出の有無にかかわらず、無料低額宿泊所に該当するものであること。

引用:厚生労働省 社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援のあり方に関する検討会(第2回)資料より、一部抜粋

生活保護等の低所得者に対して、低額で住む場所を提供し支援する施設の事です。

いわゆる「貧困ビジネス」の温床になっているということでも有名になりました。

 

そしてこの無料低額宿泊所の中から一定の基準を満たした施設が、今回紹介する日常生活支援住居施設になることができます。

具体的には、無料低額宿泊所の機能に加えて以下のような業務を、市町村から委託する形で入居者に提供します。

・個別支援計画策定
・服薬サポート
・通院同行
・家計管理
・支援
関係機関との調整利用手続き
・支援
地域社会との交流支援  等

今年の4月から各都道府県で申請受付が始まり、半年後の10月からサービス提供が開始される予定です。

どんな人が入居対象になるのか?

どんな人が入居対象になるのか?

まず対象となる人の大まかな状態像はこのようになっています。

・地域での単独での生活継続が困難となっている生活保護受給者
・本人が抱える課題や生活能力等の状態から見て、単独で日常生活を送る事が困難
・介護保険法や障害者総合支援法などによる施設入所の要件を満たさず、家族等からサポートを受けられる可能性も低い(或いは無い)状況にある

例えばですが、年齢は40歳前後。特別な障害があるわけではないがギャンブルやお酒、薬物などに依存している状態で、家族とも関係が断絶されているような生活保護受給者。

或いは高齢者でも、様々な理由で要介護認定を受けれる程の状態になく、介護保険による施設入居が困難場合も該当しそうです。

 

厳密な対象者の選定は、各市町村の福祉事務所でアセスメントを受けて決定するようになります。ただそのアセスメントの際に、厚生労働省が判断材料として示している資料があります。

その中から日常生活支援住居施設の入居対象となる状態例をピックアップしてみました。

判断の視点「本人者の状況に応じた生活支援」が必要と考えられる状態例「状況確認・必要に応じた相談助言」が必要と考えられる状態例
金銭管理家計管理について意識がほとんどなく、公共料金を滞納したり、数日間で浪費してしまう家計管理について意識が乏しく、月の途中で生活費を使い果たしてしまうことが度々ある
健康管理・衛生管理服薬などの治療の必要性について知識が乏しい
依存症の意識はあるが断酒等の対処ができない
衛生管理の意識はほとんどなく、入浴等について繰り返し声掛けが必要
服薬を忘れたり、一度に服薬してしまう事が度々ある
断酒等の意識はあるが、飲酒してしまう事が時々ある
衛生管理の意識に乏しく、何日間も入浴しない事が度々ある
炊事、洗濯等自分自身では食事の支度等が困難
具体的な指示や部分的な支援があればできる
市販品の購入はできる、食事の内容等に問題等が見られる
掃除、洗濯が適切に行われない等、声掛けが必要な場合がある
安全管理火気の取り扱いの制限など、一定の管理が必要機器等の使用ルールの徹底など、一定の管理が必要
理解・コミュニケーション理解能力に不足が見られ、声掛けや具体的な指示が必要な場合がある
コミュニケーション能力に難あり、孤立したり、問題となる行動をとってしまう恐れがある
十分な理解能力があるとは言えないが、繰り返し說明をすれば理解が可能
他者の感情などの理解や自分自身の意思伝達が苦手な為、対人トラブルを生じる事がある

この資料ですが、あくまで対象者判定の参考資料であり、実際にはこれとは別に本人の生活能力を判定するシステム作って活用することを検討しているようです。

ただ見ていくと、ケアマネとしていわゆる「困難ケース」に該当しそうな状態例が幾つも挙げられています。

・家計管理ができず、お金をすぐに使い果たしてしまう
・服薬管理ができない。入浴しない。アルコール依存症で断酒ができない
・食事・洗濯・掃除等の家事が十分できない
・理解力・コミュニケーション能力に低下があり、地域で孤立している

逆に言えば、これまでケアマネが抱えていた困難ケースに該当する人達の新しい受け皿にもなる可能性を秘めていると言えそうです。

どんな人が入居対象になるのか?

どんな人が入居対象になるのか?

先程紹介したように、施設内でも日常生活のサポートを受けられます。

しかし有料老人ホーム等と異なり、介護サービスを受ける事はできません。そういったサービスが必要な人にはどうなるのでしょうか?

結論から言うと「全て外付け」となっています。これはケアマネも含めてです。

その為、自分の担当ケースが在宅から入居した場合でも引き続き支援を行う事になります。イメージとしてはサ高住や住宅型有料老人ホームに近いと言えます。

ただ、僕の予想ですが日常生活支援住居施設の運営者が、自分達で居宅や訪問介護等のサービスをやっていた場合は入居者に対して自分達のサービスを利用するように誘導する。いわゆる「囲い込み」を行う可能性も高いと思います。(実際サ高住や住宅型有料老人ホームはそういった事が問題視もされている)その辺りの対策もどうするのかは、今後も注目していく必要がありそうです。

まとめ

・日常生活支援住居施設とは、無料低額宿泊所に、日常生活を支援するサービスが追加された施設
・対象となるのは、単独で在宅で生活を送るのが困難な生活保護受給者
・介護サービスはケアマネの支援も含めて全て外付け

今回は新しい社会資源、日常生活支援住居施設について紹介しました。本格的なサービスの開始は今年の10月からですし、まだどれくらいの事業者が参入してくるか分からないので未知数ですが、今後僕達ケアマネにとって有力な選択肢の一つになる可能性はあります。

今のうちから情報のアンテナを立てといても良さそうですね。

 

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