先日、僕の勤務している老健(超強化型)でも新型コロナウイルス対策について施設としてどうしていくかという会議が行われ参加しました。
そこで施設長や事務長達が「入退所を制限しすぎて、在宅復帰率が落ちたら収入も下がってしまう。どこまで制限すべきか・・・」
このような事を言っていてちょっと驚きました。
大変恥ずかしい事ですが、僕の勤務している老健の幹部クラスは介護保険情報最新情報Vol.796を全く見もせずにこのような会議に参加していたという事です。
結論を先に言わせていただくと、新型コロナウイルス対策中は、それに伴い在宅復帰率などが落ちたとしても老健のグレードは落ちない
その根拠がこれです。
問1 都道府県等が、公衆衛生対策の観点から入所又は退所の一時停止、併設サービスの事業の全部又は一部の休業等を要請した場合、介護老人保健施設の基本施設サービス費及び在宅復帰・在宅療養支援機能加算に係る施設基準において、「算定日が属する月の前6月間」等の指標の算出に当たって使用する月数に、その期間を含む月は含めないとする取扱いは可能か。
(答)
可能である。問2 介護老人保健施設が感染拡大防止の観点から特に必要と考えられることから、自主的に入所又は退所の一時停止、併設サービスの事業の全部又は一部の休業を行った場合、問1と同様の考え方でよいか。
(答)
貴見のとおり。ただし、入退所を一時停止する期間及び休業する理由を事前に許可権者に伝えるとともに、記録しておくこと。なお、新型コロナウイルス感染の疑いや濃厚接触の疑いがない者の入退所については、地域の感染状況も踏まえながら従前どおり行うよう努めること。引用:介護保険情報最新情報Vol.796
都道府県からの要請、もしくは要請がなくても施設が自主的に入退所を制限した場合であっても、新型コロナ対策期間中はグレードを決める算定月に含まない特別措置が認められます。(ただし事前に許可権者への届け出と、その旨の記録の保管は必要です)
ちなみに老健のグレードと僕が表現しているのは、老健には在宅復帰などへの取り組み等について細かく項目があり、その点数が「何点以上なら◯型」みたいなグレードが設けられており、グレードが上な方が報酬が多くもらえる仕組みになっています。
しかし上のグレードを目指すほど、働く職員はハードワークを求められる為、現在の人員や能力など施設側のマンパワーの問題もあって、上を目指したくてもなかなか目指せない施設も多くあります。
この辺りの仕組みについて詳細はここでは割愛しますが、簡単な資料を貼っておきますので気になる方は自分で調べてください。(ちなみに老健勤務しているケアマネなら皆知っていると思います)
このルールがあるため、老健の経営者陣は面会制限による感染対策と、入退所を制限することによる収入の大幅減少を天秤に掛けて判断に悩んでいる所があるかもしれません。
もし僕の老健と同じような事で悩んでいる人がいたら、経営陣に是非この情報を教えてあげてください。そしてグレードが下がらないのなら収入が大きく落ちる事はないのだから、安心して感染対策を取れば良いと思います。
今の時期はお金より人の命・安全が優先です。辛い時期ですが、皆で乗り越えていきましょう。