この記事はこんな人の役に立ちます
あなたの記録は何を書いているのかさっぱり分からない。もっと他人が見ても内容が分かる記録の書き方をしなさい
そんな事言われても、記録の書き方なんて教わった事ないし。自分なりに一生懸命書いてるのに、これ以上どうしたらいいか分からない・・・。
ケアマネにとってケアプランの作成以上に、最も多く行うのが「支援経過記録」の記入です。
支援経過記録の書き方13ポイント
①発言は個人情報に配慮してシンプルに
「逐語録」という記録方法があるのを知ってますか?
これは会話の内容を録音などして、その後文章にそのまま落とし込むやり方です。どんなやり取りがあったのか、後で振り返る時に使える方法です。
発言内容をそのまま振り返る事ができる反面、文書量が膨大になってしまうのがデメリットです。
また当然ですが、利用者や家族は個人情報などに配慮して会話をするわけではありません。そしてケアマネは、利用者の支援に不要な情報を収集する事は倫理規定でNGとされています。
つまり、利用者や家族の発言はそのまま記録に書くのではなく、不要な個人情報は取り除き、かつ内容を分かりやすく要約したほうが見やすい記録になるのです。
(例)
②経過はすっきりとまとめて書く
ケアマネの仕事は二転三転することは珍しくありません。そんな時に、行った事を時系列に書いてしまうとまとまりが無く「結局何が起きたの?」という記録になってしまいます。
そこで内容を要約し、端的にまとめて書くようにすると一気に見やすい文章になります。
(例)
③複数人物の書き分けと適切な呼び方に注意
記録の中に複数の人物がいる場合、誰が何を言ったのか分かるようにしておく必要があります。
また呼び方も、書くたびに変わっていては分かりにくい為統一します。その呼び方も専門職としてふさわしい呼び方に統一する必要があります。
・ヘルパーの〇〇さん
・訪問介護員の〇〇氏
④誰が情報源なのか明確に
記録にはケアマネが得た情報を書く事も多いです。しかしその情報源がよく分からない書き方になっている記録も多くあります。
その為、情報源が誰なのか分かるようにすると見やすい文章になります。
・本人は気乗りしない様子
・長女より。「本人はデイサービスはあまり行きたくないようです」と言われる
⑤自分なりのまとめと、発言の引用をはっきり書き分ける
利用者や家族が言った事を、全てそのまま書くと助長で分かりにくい記録になる為、内容を要約する必要があります。
一方で、場合によっては発言をそのまま記録したほうがいい場合もあります。
その為自分の要約なのか、それとも発言をそのまま引用して書いたのか分かるようにしておくと分かりやすい記録になります。
とは言っても難しい事をやる必要はありません。例えば発言をそのまま書く場合は「」、それ以外はそのまま内容を要約して書くなど、書き分けるだけで見やすくなります。
⑥気になる言動は自分の判断・対応の両方書く
僕達ケアマネの対応は、自分なりに必要な判断という根拠があり、その結果起こしたアクションです。
しかし記録を確認すると、起きた出来事とそれに対して取ったケアマネのアクションだけで、「なぜそういうアクション(支援)をしたのか?」が分からない事が多いです。
自分の判断を書く事で、自分達の仕事の正当性を記録から証明する事も大切です。それができるようにするためにも、対応だけでなくセットで自分の判断を書くようにしましょう
(考察)
これまでに見られなかった様子。認知症が進行している可能性がある。今後の対応を協議する為にも、主治医へ現状を報告する。
⑦利用者、家族の要望はその評価と対応も説明する
利用者や家族から「デイサービスの利用頻度などを変更してほしい」等、要望が出る事はありますよね。
ケアマネとして、できるだけ要望に沿った対応をする必要があります。しかし要望があったからと言って反射的に言われた通りに対応するだけではただの「御用聞きケアマネ」と思われても仕方ありません。
そこで「なぜその要望が出たのか?」を確認し、本当に要望通りの対応で良いのか評価した上で対応しましょう。
特に利用者のADLや体調の変化が理由での要望の場合、他の専門職との連携。場合によってはケアプランの内容変更も含めた対応が必要になる可能性もあるため、そういった事も含めて記録をします。
理由を尋ねる。「以前より歩く事もできるようになってきたし、もう少し自宅でゆっくり過ごす時間がほしいから」と言われる。
デイケアに本人の身体状況を確認。現状であれば、週2回でも、自宅でできるセルフトレーニングなど行ってもらえれば、状態を維持できると思われるとの回答。
結果、本人にはデイケアが提案してくれるセルフトレーニングを自宅で行ってもらう事を前提に、デイケアの利用回数を週2回に変更する。
⑧安定している時も評価を忘れずに記録する
僕達は利用者の状態が安定していると、つい簡単な記録になってしまいます。(例:モニタリング実施。前月と特に変わりなし)
しかし変化がない場合でも、その事実を専門職としてきちんと評価する事が求められます。
その為には、利用者や家族が「大丈夫、調子はいいです」という言葉だけでなく、きちんと客観的な情報などから評価した記録を残しましょう。
⑨連携の記録は役割分担を明確に
「連携」という言葉はよく使われますが、これを記録の時に単純に使ってしまい、結局どのような事が行われたのかよく分からない記録は多いです。
例えば「〇〇に連絡する」だと、何をどう伝えたのか?その結果どんなアクションが行われたのか?が分かりません。
チームで支援する場合は、誰が、どのような役割を担っているのか。しっかり記録を残す事で責任の所在が明確になりチームワークの強化に繋がります。
訪問看護の〇〇氏に上記の件連絡する。その結果、本日中に訪問して様子を確認してくれる事になる。
⑩他の支援者の言動の記録に注意
ケアマネは支援チームのコーディネーターとしての立場が前提になります。他の専門職は自分の作ったケアプランを実行してくれるプレイヤーである事を認識しておくことが大事です。
その為、他職種の発言や関りについて記録する時は、それに基づいて支援計画の修正が必要ないか、検討した事も含めて記載するようにしましょう。
またそれぞれの専門職の専門性や業務範囲にも十分考慮した記録が必要です。
特に情報が又聞き(〇〇看護師から「主治医の□□Drがこう言ってた」等)は、書き方によっては情報提供者と発言者の関係性にも影響しかねません。
情報開示された場合の事も踏まえて、表現には注意する必要があります。
主治医の判断として、「現状では在宅に戻って生活するのは不可能だろう」との事
⑪利用者の人権や尊厳に配慮した表現に
ケアマネの支援経過記録は、個人のメモではなく、あくまで公的な記録です。つまり利用者や家族、それ以外の第3者にも見られる可能性があるものです。
その前提で利用者や家族への人権や尊厳に配慮した記録になっているか。個人的な感情が強い表現になっていないか、常に振り返り配慮しながら記録する必要があります。
最近このような暴言が多い事から、認知が進んでいるのかもしれない。
長女にも上記の件、電話連絡。最近の生活の様子などについて確認する。
(考察)以前より、上記のような様子が増えている。認知症の進行可能性も考慮し、主治医へ情報提供行う
⑫関係者が目にする前提での表現に
ケアマネの支援経過記録には、様々な人物が登場します。そして記録は場合によっては利用者や家族、支援に関わった人達などに見られる可能性は大いにあります。
つまり、支援に関わる人達の誰に見られても問題ない記録を書く必要があります。この記録によって、関係者に不利益をもたらす事がないよう、場合によっては情報提供元と記録の書き方について協議しておく必要もあります。
⑬専門職としての業務内容と責任範囲に注意
実際の支援の中で、ケアマネとしての責任が果たせているか記録を残す事も必要です。
その際に、他職種の責任範囲に及ぶような用語や専門用語の使い方には注意が必要です。ケアマネとしてどこまで判断できるのか、業務範囲を逸脱していないか、確認しながら行う必要があります。
まとめ
支援経過の書き方の13ポイント
「ケアマネになりたい、でも試験に全然受からん」
こんな人へ。大丈夫、ケアマネ試験は正しい勉強方法を知っていれば誰でも受かります
僕が試験に一発合格した時に使った方法を教えます
次こそ試験に合格して、周りの人達を見返してやりましょう。その方法をこのnoteに余すことなく書き上げましたので、試験に受かりたい人は読んでみてください