この記事はこんな人の役に立ちます
①ケアマネ法定研修の変更
今回の改正でケアマネの更新研修などのカリキュラムが変更になります。
主な変更点がコチラです
②高齢者の人格尊重、権利擁護に関する科目(時間増)
③適切なケアマネジメント手法を用いたケアマネジメント(新)
④他法他制度の活用が必要な事例の習得
⑤リハビリ、福祉用具活用の事例
⑥ターミナルケアに関する科目
②ケアプランデータ連携システム
意外と知られていないのが、2023年4月から始まった「ケアプランデータ連携システム」です。
簡単に説明すると、異なる法人や事業所同士が必要な情報を共有する事で業務の効率化が図れるシステムです。
このシステムを活用する事で一番効率化が期待できるのが、毎月の給付管理業務です。
これまではサービス事業所が実績などをいちいち手書きでチェックしたものを印刷して、それをFAXなり直接居宅に持っていくなりする手間が発生していました。
しかしこのシステムを使えば、実績入力をPCに入力してそのデータを居宅に送信するだけでOK。お互いにかなりの負担軽減になります。
ケアプランデータ連携システムの詳細について知りたい方はコチラを参考にしてみてください
便利なシステムですが、実際に活用が拡がるには課題もあります。
・一定のスペックのPCや介護ソフトが利用できる状態にある事
・ライセンス料として、年間21,000円かかる
③地域包括支援センター業務
今回の改正で居宅に一番影響が大きいのがこれです。改正ポイントは大きく2つあります。
①居宅が予防支援の指定事業所になれる
これまで居宅では介護予防は地域包括から「委託」という形で業務を行っていました。つまりあくまで代行。もっと違う言い方をすれば「下請け」です。
だからプランを作るにも、毎月のサービス実績の報告など毎回包括を通す必要があり、それが負担にもなっていました。
そんなに負担なのにもらえる報酬はわずかな為、あまり積極的に予防支援を受けたいわけではない。これが現状でした。
ところが今回の改正で居宅が直接指定を受けられる。つまり包括を通さずに介護予防支援の業務を行えるという事です。
予防支援を積極的に受けていた事業所にとっては朗報です。ただし気になる点があります。直接指定を受ける事が可能になっても、以下の内容が示されています。
・市町村からの求めがあった場合、予防プランの状況について情報提供する事
②総合相談支援業務を一部委託可能に
これまで包括の専売特許であった「総合相談支援」
地域の高齢者に対して介護だけじゃなく、生活全般に対して広く相談に乗る業務。これを居宅でも一部業務委託が可能になります。
ただ「一部」とは具体的に何なのか?現状ではまだ不明です。本書では、相談内容を包括に繋ぐなどの窓口業務等ではないか?との予想ですが、他にもあるかもしれません。
どちらにしても委託契約になるからには「報酬」が発生します。
その金額がどの程度か?まだ不明ですが、居宅はその性質上これまでも受けた相談者を包括に繋ぐなどの地域の身近な窓口的役割を果たしていました。しかしその役割に対して報酬は無く、いわゆるタダ働き。
それが少しでも報酬のアップに繋がるなら委託を受ける事になるでしょう。ただしまだ報酬の額や、委託する業務内容がまだ不透明な為、最終的に委託を受けるかの判断はもう少し後になるでしょう。
④2割負担者の範囲拡大→見送り決定
今回の改正の目玉として2割負担者の範囲拡大がありました。具体的には単身者世帯の範囲拡大です。
現状で280万円以上が2割の対象だったのを、200万以上に引き下げる可能性が議論されていました。
200万円というのは後期高齢者医療の2割対象者と足並みを揃える為です。制度設計者側からすると、両方の金額を一緒にしたほうが管理しやすいという理由がありそうです。他にも270万円や240万円など様々な額が提示されていました。
結論ですが、2023年12月19日に2割負担の範囲拡大は見送られました。
理由としては物価高騰で生活が苦しい高齢者が多い状況で、負担の範囲拡大は時期的に適切でないと判断した為です。
今回は先送りされましたが、近いうちに2割負担の範囲拡大は避けられないでしょう。今の内から2割になりそうな利用者や家族には高額介護サービス費など、負担割合が上がったとしてもある程度大丈夫であることの情報提供をしておいても良いと思います。
⑤テレワークについて
現在まだ介護業界ではあまり普及していないのが「テレワーク」
しかしコロナ禍をきっかけに他産業では一般的は働き方して市民権を得ました。そして国は現在デジタル化を推進する立場から、介護業界にもテレワークを可能にする流れを考えている可能性はあります。
2021年9月に発足した「デジタル庁」
2023年9月に「管理者のテレワーク等の取り扱いに関する事務連絡」が厚生労働省より示されました。これは事業所の管理者に関しては「管理上支障が無い範囲においてテレワークを行ってもいいですよ」という内容です。
では管理上支障がない範囲の具体的な内容とは?その主な内容がコレです。
要するに何かあった時も事業所に出勤している職員との報連相がきちんと取れる状態にしておく事。必要な時はすぐに出勤できる体制にしておくこと、等ですね。
現時点では管理者限定のテレワークですが、今後はそれ以外の人にも拡大される可能性は高いです。
そうなった時に真っ先に対象になりそうなのがケアマネジャーです。ケアマネの仕事くらい、この業界でテレワーク向きな仕事もないでしょう。今後の情報にアンテナを張っておいても良いと思います。
まとめ
2024年介護保険改正、ケアマネが知っておきたい事
速報的な感じですが、現時点で分かっているもので影響の大きそうなものをまとめてみました。
個人的には地域包括センター業務をどの程度居宅で引き受けていくか?介護予防に関しては逓減制の人数カウントから外す案も出ています。そうなった場合、ケアマネの負担ももちろん考慮に入れながらですがこれまでよりも積極的に引き受けるという経営戦略も成立しそうです。
残り約3ヶ月。ただ後最終的な決定情報が降りてくるのはもう近いでしょう。来年4月からの改正に向けて今のうちから今後の運営方針を考えておくと良いかもしれませんね。
参考書籍
「ケアマネになりたい、でも試験に全然受からん」
こんな人へ。大丈夫、ケアマネ試験は正しい勉強方法を知っていれば誰でも受かります
僕が試験に一発合格した時に使った方法を教えます
次こそ試験に合格して、周りの人達を見返してやりましょう。その方法をこのnoteに余すことなく書き上げましたので、試験に受かりたい人は読んでみてください