この記事はこんな人の役に立ちます
・フレイルの予防が大切っていうのは分かるけど、どうやって予防すればいいか、具体的な方法が分からない
↓
「フレイル(虚弱)」
↓
「要介護状態」
知っておきたいフレイルサイクル
・足腰が弱ってきたようだ → リハビリなどで運動量を増やそう
・自宅に閉じこもりがちだ → デイに行かせて、人との交流を増やそう
3大フレイルと支援ポイント
①身体的フレイル
フレイルと言われて、真っ先に思い浮かぶのがこの身体的フレイルです。身体的フレイルを支援するポイントは大きく2つあります。それが栄養状態の改善と筋力低下の改善です。
栄養状態の改善ポイント
僕達は、食事が取れないと食事内容の改善にばかり目が向きがちです。しかし食事が食べれない原因には口腔機能の低下、オーラルフレイルが隠れている事が多いです。
筋力低下の改善ポイント
身体的フレイルを予防する為には、筋肉量が低下するサルコペニアの予防が重要です。
そして予防の方法で真っ先に思い浮かぶのが「運動量の確保」ですね。
これに間違いはありません。しかしそれができないから、多くの高齢者が身体的フレイルに陥るわけです。
ここでは高齢者に対してどのように運動量を確保していけば良いかについて解説します。
ポイント①レジスタンス運動とウォーキング
レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動作を繰り返す運動です。いわゆる「筋トレ」ですね。
とはいえ、高齢者にハードな筋トレを行うのは難しいです。その為日常生活の中でできる内容にしないといけません。
たとえばですが、椅子から立って座ってを繰り返す。階段の上り下りを繰り返す。こんな簡単な事でOKです。
さらにウォーキングもオススメです。
サルコペニアの予防には女性は1日あたり7000歩(早歩きで約15分)、男性は1日あたり8000歩(早歩きで約20分)必要だと言われてます。
歩き方は普段より歩幅を広げ、やや速いペースで歩くと効果的です。
どちらも下半身を鍛えるメニューです。下半身はもっとも筋肉量の多い部位。下半身を鍛える事で、全身の筋肉量のアップにも繋がるうえ、介護が必要になるきっかけは下半身の衰えから来ることが多いため、フレイル予防の効果が大きいと言えます。
具体的な運動メニューをケアプランに入れてみると良いでしょう。
例えば「椅子からの立ち座りを10回:頻度は1日1~3回(食事の前など)」といった具合です。
ポイント②周りの人を巻き込んで運動を継続する
当たり前の事ですが、運動はある程度の期間継続して始めて効果が出ます。
実際に筋肉量が増えたり、日常生活で効果を実感できるまでには概ね1年間に25時間以上の実施時間(1日あたりの時間×1週間あたりの頻度×期間)が必要と言われてます。
1年間は52週間ですので、1週間あたりの運動時間は約30分。仮に週3回運動すると仮定すれば、1回あたりは約10分です。
これくらいであれば続けられる人も多いです。ただしそれを一人で黙々とやるのは、よほど意志力が強い人でない限り難しい。なぜなら、サボっても誰が咎めるわけでもないからです。
なので周囲の人を巻き込みながら運動をします。地域の老人会、或いは近所に友人などがいて一緒に運動してくれる人がいれば理想的です。しかしそんな恵まれた条件の人はほんの一部でしょう。
例えば一緒に住んでいる家族が本人と一緒に運動する。
「私も運動不足で、運動したいと思っていたから一緒にやろう」
そのように周りが本人と一緒に運動する機会を作ると、運動習慣がつきやすいです。
そして運動ができたら、カレンダーにシールを貼るなど目標通り運動ができた事を見える化します。
そうする事でモチベーションが継続しやすいです。これは独居などで、周囲の人を巻き込み辛い人でも効果的です。
ケアマネなどが訪問した時に、カレンダーに貼られたシールを見て「スゴイですね。目標通り運動が続けられてるじゃないですか」等と褒める事ができます。そうすることでモチベーションが上がり、さらに運動が継続できるというわけです。
ポイント③リハビリ専門職のサポートを受ける
餅は餅屋という言葉があるように、今取り組んでいる運動の支援が効果的なのかどうか?それをリハビリ専門職にサポートしてもらいます。
具体的には利用者の状態をアセスメントしてもらい、最適と思われる運動メニューの考案。そしてモニタリングによる評価という、ケアマネジメントプロセスと同じような流れで関わってもらいます。
もし思ったような運動効果が得られないようであれば、運動メニューの再検討ややり方の変更が必要になります。しかしそれはケアマネ単独ではできないですよね。
だからこそ、身体的フレイルの予防にはリハビリ専門職との連携は必要不可欠なのです。
②精神、心理的フレイルと社会的フレイル
精神、心理的フレイルとは不安や抑うつ、意欲や認知機能低下といった、まさにメンタル的フレイルです。
また定年退職し、外に出る機会が激減した結果閉じこもりや孤立状態になり、他人との関りが希薄化するのが社会的フレイルです。
どちらも身体的フレイルと異なり、症状が目に見えにくく気づいた時には重症化して手遅れになる事があります。そしてこの二つは他のフレイルを放置すると、身体的フレイルを含めた他のフレイルの悪化を加速させる要因になります。
その為しっかり対策を行い予防していくことが必要になります。
ポイント①基本的な生活習慣を見直す
精神、心理的フレイルや社会的フレイルはうつ病が引き金になる事が少なくありません。
そこでうつ病の予防が必要になるのですが、その方法は「当たり前の事を当たり前にやる」が一番効果的です。
それが基本的な生活習慣の見直し。つまり「食事、運動、睡眠」の習慣を見直すです。
食事に関しては先述した通りです。たんぱく質など、体に良いモノを積極的に食べる一方、体に悪いモノを食べる頻度を下げる必要があります。
高齢者は調理をするのが面倒になった結果、すぐに食べられる菓子パンやお菓子、インスタント食品などに頼る頻度が多くなり、結果的にそれらの食品を食べ過ぎている事が多くあります。まずはこれらの食品を止めて、代わりに栄養価の高い食品を食べる頻度を増やす事の検討が必要です。
運動に関しても先述した通り。ただいきなりハードな運動に取り組めない人もいます。そのような人でも、朝起きたら玄関の外に出て新聞を取りに行く。その時可能なら軽く体操をするなど、できる事から取り組んでいくのがよいでしょう。
睡眠の乱れがメンタルに影響を与える事は今では常識になりました。夜の睡眠の質が下がる原因にメラトニン不足があります。
このメラトニンはセロトニンを原料に作られます。その為には日中にセロトニンをたくさん作る生活が必要。
ではセロトニンはどうすれば作られるのか?その方法の一つが「日中に日の光を浴びる」事です。
つまり朝起きたらカーテンを開けて。できたら朝に散歩をする。たったこれだけの事で睡眠の質が大きく上がるのです。
朝の運動が睡眠にも良い影響を及ぼすわけです。可能な範囲で取り組める方法を考えてみましょう。
ポイント②適切な関りで、変化に気付きやすくする
家族などの周囲の人の関りも大切です。特にちょっとした変化に早く気づいて、適切に医療機関などに繋ぐ事で状態の悪化を防ぐ事になります。
・何だが覇気が無い
・ちょっとした事ですぐ怒る(昔は穏やかな性格だったのに)
ポイント③ポピュレーションアプローチとハイリスクアプローチ
ポピュレーションアプローチとは?
一般高齢者の集団に対して健康管理を指導する事です。市町村や地域包括支援センターなどがやっている健康教室がそうです。
様々な人が参加する為、他人との繋がりを感じる機会になり、社会的フレイルなどの予防になります。
ハイリスクアプローチとは?
軽度認知障害、抑うつ傾向などのリスクを抱えた人を対象に、個別に指導する事。
ケアマネが受けた相談をアセスメントし、地域包括支援センターや保健センターなどの相談窓口に繋ぐ事がこれに当たります。
当たり前のような支援方法に感じますが、利用者や家族とケアマネのリスクへの認識の違いから繋ぐのが遅れてしまう事も多いです。
ポイントはこれらのインフォーマルな社会資源の情報について、常にアンテナを張っておき、必要な可能性がありそうな人には早い段階から情報提供しておく事が大切になります。
まとめ
3大フレイルの支援ポイント
「ケアマネになりたい、でも試験に全然受からん」
こんな人へ。大丈夫、ケアマネ試験は正しい勉強方法を知っていれば誰でも受かります
僕が試験に一発合格した時に使った方法を教えます
次こそ試験に合格して、周りの人達を見返してやりましょう。その方法をこのnoteに余すことなく書き上げましたので、試験に受かりたい人は読んでみてください