利用者がケアプランの意向を言わない時はどう書くの?解説します

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利用者がケアプランの意向を言わない時はどう書くの?解説します ケアプラン作成

この記事はこんな人の役に立ちます

ケアプラン第1表の意向欄。それを書くために利用者に意向を聞いても何も答えなかったり、「特にない」とか言われてしまう。でも何も書かないわけにもいかないので、いつも適当に書いてるんだけど本当にそれでいいかいつも不安。
ケアプラン作成の根幹になるもの、それが利用者の意向です。
意向=ニーズという単純なものではありませんが、ニーズを探るのに重要な情報であるのも確かです。
しかし認知症の進行、或いはそもそも自分がどうしたいかという事が分からない。そうした様々な理由から意向を言えない利用者が現実に多くいます。
では、意向が言えない人はどうすればいいのでしょうか?意向欄は空白のままでいいのか?今回はそんな疑問について解説していきます。

利用者の意向の法令根拠

まずは利用者の意向について、法令などではどのように書かれているのか確認しましょう。

「利用者および家族の介護に対する意向」

利用者及びその家族が、どのような内容の介護サービスをどの程度の頻度で利用しながら、どのような生活をしたいと考えているのかについての課題分析の結果を記載する。

なお、利用者及び家族の介護に対する意向が異なった場合には、各々の主訴を区別して記載する

引用:標準様式通知別紙3のⅣの1⑬「記載要領」より

アセスメントで確認した意向を記載すると書かれています。
・どんな介護サービスを、どの程度の頻度で利用したいのか?
・どのような生活を送りたいのか?
少なくともこういった内容を確認し記載する事が意向欄には必要だという事です。
では、意向を言えない場合はどうすればいいのでしょうか?
また、時として、このような意向が消極的な場合があるが、そのような場合には自立意欲を高め、積極的な意向が表明できるよう援助する必要がある
引用:標準様式通知別紙3のⅣの1⑬「理由」より
つまり、意向が言えない場合はケアマネが利用者に意向をしっかり伝えられるようなアプローチが必要という事です。
ここでいうアプローチとは「言葉で意向を言える」という単純なものだけではありません。非言語的コミュニケーションからもどういった意向があるのか?それをしっかり観察し、考える事が大事です。

そうは言われても、もし自分が考えた意向が間違っていたらどうするの?

そんな心配があるかもしれません。しかしケアマネには利用者に対してある役割があります。それは
アドボケイト(権利擁護)機能
これは利用者自身が、うまく自分の思いを伝えられない時。それを代わりに伝える「代弁者」としての機能です。
もし代弁した内容にズレがないかどうか、確認できるなら確認します。そうすれば大きな間違いはないでしょう。でもそれも難しい時はしっかりアセスメントを深めたうえで、最終的には「これが〇〇さんの意向です」と堂々と言えないといけません。そうでなければ代弁者として、アドボケイトできてるとは言えないでしょう。

意向を探す時のコツ

意向を探す時のコツ

しっかりアセスメントすると言われても、どうやってやればいいの?

利用者が意向を示せない時のアセスメントのコツ。それは

時間軸を意識する

これは簡単に言うと「過去」「現在」「未来」それぞれに対して利用者の思いや価値観を探す事です。

「過去」:昔何が好きだったのか?どんな事を大切にしながら生活してきのか?
「現在」:今困っている事はなにか?今の生活で楽しみにしている事は何なのか?
「未来」:利用者はこれから先の未来に、どんな事を望んでいるのか?
こういった事を確認していく事です。
そしてアセスメントは本人からももちろんですが、本人にとって最も身近な存在である家族から積極的に聞きましょう。ただし、家族の声のほうが強い場合はそれも踏まえたうえで、家族のいない場所で本人にも確認する等工夫が必要です。
それ以外にも現在サービスを利用している場合は、サービス事業者などからも聞き取る事ができます。色々な角度から情報を集め、意向を決めていく事になります。
実際に事例からどのように意向をまとめるか見てみましょう。

Aさん、85歳。男性。要介護4、認知症

学校の教員として最終的には校長として勤め上げ定年退職。退職後は山登りや、保護司として少年達が地域で生活していけるよう精力的に活動していた。夫婦で二人暮らしをしていたが、妻が亡くなった直後から認知症の症状が目立ち生活が困難になった為、2年前から長男夫婦と一緒に暮らしている。
昔から真面目で家族にも優しい性格であったが、それ故に頑固な面もあり、昔から自分で決めたことは誰が何と言おうと曲げない所があった。家族仲は良く、好きな山登りなどに家族で一緒に行く事も多かった。また地域との繋がりも大切にしており、昔から町内会長なども務め近所の人にも頼りにされていた。
現在は急に「今から大事な会議がある」と夜中に出ていこうとする。そんなものは無いと長男夫婦が言っても「お前達は嘘を言ってる」と怒り出してしまう。一人で家を出ると、家の場所が分からなくなり、一度警察に保護された事もあり目が離せない。
ケアマネが本人と話しても「結構ですな」「そうですか」「よく分かりません」等、その場を取り繕うような返答があるだけで、話の内容を理解するのが難しくなっている。

この事例から意向をどのように決めるか、先ほどの時間軸を中心に考えてみましょう。
「過去」
・学校の校長先生として勤務
・保護司や町内会長として他者の為に、金銭による見返りがなくても活動してきた
・家族で山登りをする事が好きだった
「現在」
・長年連れ添った妻が亡くなってしまった
・自分の身に何が起きているかよく分からない不安がある
・もう自分は人の役に立つことはできない。それどころか迷惑をかけるようになってしまったと感じている
「未来」
・不安を少しでも解消したい
・これからも、長男夫婦と仲良く生活したい
・できるなら、少しでも他の人の役に立ちたい
「長男夫婦からの聞き取り」
「昔から真面目で責任感が強かった。それに世話好きで、困っている人を見ると放っておけないタイプの人でした。子どもの僕達にも教育熱心で、礼儀作法などは厳しい所があったけど基本的には優しい人で、よく遊んでくれたのも覚えています。僕達夫婦が結婚してからも、子どもの面倒を代わりにみてくれる等色々助けてくれました」
これらの情報から、あくまで例ではありますが以下のようにまとめてみます。
「頑張りたいけど、できない事や分からない事は助けてほしい」
「これからも家族と一緒に仲良く暮らしていきたい」
「何か人の役に立てるような事を行いたい」
本人が発言したわけではありませんが、アセスメントの情報から本人の意向として記載します。

まとめ

利用者が意向を言えない時は

・意向を積極的に言えるよう、必要なアプローチを行う
・自分で言えない時はケアマネのアドボケイト(権利擁護)機能を発揮して代弁する
・代弁の際のアセスメントのコツは「時間軸(過去、現在、未来)」を意識する
意向はケアプランにとって重要です。そこが空白であったり、適当な内容であれば後の内容もいい加減になってしまいます。意向が現在言えなくても、代弁者として関わりしっかり書く。それができれば、もう意向が分からなくて困る事はありません。是非参考にしてみてください。
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