コロナ禍で「感染対策」の大義名分の元、これまでにはなかったような様々な制限の中で僕達は生活や仕事をしています。
そして最近僕が危惧している事があります。それが
「コロナ対策をした結果、職員教育がおざなりになっている事業所が増えている」
という事です。
「まあ、でもこんな時期だし仕方ないんじゃないの?」
そういう意見も多くあります。しかし
「じゃあ、仕方ないから職員教育は適当でいいよね」
こんな風に思考停止になっていたら、将来かなりヤバい事になると思います。今回は僕がなぜそのように考えるのかについて書いてみたいと思います。
コロナ禍の職員教育の現状
①外部の目が入らないため、緊張感が欠如
コロナが流行する前は事業所には利用者の家族、外部の介護・医療従事者、設備などの外部業者、そして僕達ケアマネなどが毎日のように来て、事業所のサービスの様子を見られるのが当たり前だったと思います。
その為少しでも印象を良くして、売上げアップを目指そうと多くの事業所が接遇などの教育に大なり小なり力を入れていたと思います。
しかし現在はどうでしょう?外部の人間は家族ですら簡単に入れなくなり、事業所は現在「不可侵領域」になってしまってます。
こうなるとどうなるか?ある意味誰も監視する事がないこの状況に、多くの職員の接遇態度は簡単に低下します。
しかし自分達の組織で修正したくでも自浄作用が働かない事が多いです。理由は
「厳しく注意して人員がギリギリの今、辞められたらどうしよう・・・」
こう考えて適切な指導ができず、見て見ぬ振りしているリーダーや管理職も多いです。その為接遇レベルの低下に歯止めが効かないのです。
こういった状況を放置すると将来虐待などの事件に発展しかねません。
②三密回避の為に研修をしていない
コロナが流行してから「三密回避」という言葉が多くの人に浸透しました。
「密閉、密集、密接」を避けるということですが、この名目で外部研修は軒並み中止になりました。その影響は僕達ケアマネの更新研修にも及んでいます。(詳しくは政府通知。ケアマネ・主任ケアマネ更新研修、中止しても資格喪失なしを参照)
しかし外部研修だけでなく、事業所内で行う内部研修も三密回避を理由にやっていない事業所が多いです。これでは職員の教育の機会が全くなく、質の高い人材が育たちません。
例えば現状維持。これは「今のまま続ければできる」と考えている人が多いのですが、正しくは「成長しようと努力した結果、今より少し向上するか現状維持」です。
何の努力もせず、今のまま続ける事は事業所のレベルの衰退を意味します。志の高い人材は「こんな所にいても成長できない」と見切りをつけて辞めてしまい、質の低い人材ばかりになってしまう恐れもあります。
③人手不足や疲労感から教育にエネルギーを回せてない
コロナ禍の現状は、僕も日々現場の職員の様子を観ている事もあって、疲労感がこれまで以上に強い状況です。恐らく多くの事業所がそのような状況ではないかと思います。
その為研修や教育に時間を割くことができていません。僕の職場でもまだ高卒で入った新卒の職員が早くも現場の一戦力として期待されている状況があります。しかしあらゆる面でまだ未熟なその職員をろくに教育もせずに使いつづける事が果たして職員・事業所双方にとって有益なのかは考える必要があります。
コロナ禍で、教育をするにはどうすれば良いのか?
ここまで述べてきたように、現状は厳しくこれまでと同じようなやり方で職員の教育をするのは難しそうです。しかし、だからといって職員への教育を怠るような事業所に未来はないでしょう。
ではどうすべきか?ポイントは
・人手不足に配慮しながら行う事
まとめ
コロナ禍の職員教育の現状
①外部の目が入らないため緊張感が欠如
②三密回避の為に研修をしていない
③人手不足や疲労感から教育にエネルギーを回せていない
コロナ禍の現状で教育をするには、オンラインの活用をすべき
コロナ禍で大変なのは僕も日々仕事をしていて感じます。だからといって職員教育を今おろそかにしてしまうのは、将来にあまりにも大きなリスクを抱える事になります。具体的には
・職員が虐待などの事件やトラブルを起こす
・職員の大量退職
・ケアの質の低下から評判が落ち、収益悪化
これらのリスク回避の為には、厳しい現状であっても職員教育にしっかりコストを回す必要があります。そういう努力を今している事業所は将来必ず報われます。
特にオンラインでの研修などは、今後の職員教育のスタンダードになる事が予想されます。いち早く取り組む方が後々楽です。
僕の法人ではこれまでのようにバチッと日時を決めるのではなく、ある程度幅をもたせた日時と時間帯を作り、パソコンなどの端末から職員が自由に観れるようにしました。これもさらに改善できると思いますが、まずはやってみるという姿勢が重要なのかなと思います。