在宅医療の頼もしい味方「訪問看護」を使いこなそう

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医療連携

在宅で医療面のフォローが必要な利用者さんは多く、最近は様々な疾患を複数抱えたり、重度の医療ケアが継続的に必要な人も増えてきました。

そうでなくても、僕のような福祉系のケアマネジャーは医療面のケアに不安があるのが現実です。しかし、そのような時頼もしい存在なのが「訪問看護」です。

しかし、大げさな医療ケアが必要でないと使えない、敷居が高いイメージもあります。その為、訪問看護について正しく理解をしてもらいたいと思い、改めて訪問看護について紹介をしていきます。

 

訪問看護のサービス内容

Ⅰ:療養上のお世話

身体の清潔、洗髪、入浴介助、食事や排泄などの介助・指導

Ⅱ:病状の観察

病気や障害の状態、血圧、体温、脈拍などのチェック

Ⅲ:医師の指示による医療処置

点滴などの医療処置を行います

Ⅳ:医療機器の管理

在宅酸素、人工呼吸器などの管理

Ⅴ:ターミナルケア

がん末期や終末期などでも、自宅で過ごせる手伝い

Ⅵ:褥瘡などの処置

褥瘡の処置や予防のケア、予防に必要な助言や指導等

Ⅶ:リハビリ

拘縮予防や筋力、機能回復、嚥下機能訓練などのリハビリ

Ⅷ:認知症ケア

事故防止等、認知症介護の相談・工夫をアドバイス

Ⅸ:家族への相談支援

ケアの方法などについての相談や、その他様々な相談対応

 

利用方法

利用するには主治医から訪問看護事業所に「訪問看護指示書」というものを出してもらう必要があります。その為主治医にケアマネから利用したい旨をアプローチする必要があります。

その際は、必ず利用する目的やそれによって得られる・期待できる効果などの根拠を明確にして伝えましょう。自信がない場合は、先に訪問看護事業所に相談をしてみてください。「あの先生はこんな風にすると、スムーズに指示書を書いてもらえますよ」みたいな情報を教えてくれる可能性があります。

 

医療保険と介護保険どちらを利用するの?

原則、介護保険の利用者は介護保険での訪問看護の利用となります。

ただし、例外的に介護保険の利用者が医療保険で訪問看護を利用できる場合があります。

①主治医から「特別訪問看護指示書」での訪問看護が指示された場合

特別訪問看護指示書とは、介護保険の利用者であっても14日間という短期間限定ですが、医療保険で制限なく訪問看護ができるものです。ただし指示書を出せる条件があり

1)肺炎や心不全などの急性増悪

2)疾病に関わらず終末期であること

3)退院直後であること

というものがあります。原則指示は医師が出しますが、ケアマネとしてこういった制度の内容は知っておいて損はありません。

②「厚生労働大臣が定める疾病等」に該当する場合

疾病の内容については以下のリンクを参照ください

「厚生労働大臣が定める疾病等」

この疾病に該当する場合は介護保険ではなく、医療保険から訪問看護を利用するようになりますので覚えておきましょう。

特に「末期の悪性腫瘍」がここに入っているのを覚えておいてください。末期がんで在宅で看取る場合、訪問診療や訪問看護を利用する機会は多いと思いますが、その場合は訪問看護は介護保険の支給限度額を気にする必要もなく、必要なだけ利用できるということです。

 

訪問看護を利用するメリット

①利用者の医療面の支援を安心して行える

これが一番大きいです。僕のような福祉系ケアマネはどうしても医療に弱く、自分の力だけでは自信をもって利用者の医療面の支援が行えず、そのままでは利用者に不利益をもたらしてしまいます。

そこで、苦手な医療面をサポートしてくれる訪問看護という専門職の存在は大きいです。良好な関係を築いて、分からないことや判断に迷うときなどは積極的に相談しましょう。

また、教えてもらうだけでなく、訪問看護師が知りたい情報は積極的に伝えるようにしましょう。訪問看護師が知りたい情報として

・どこの医療機関に、どのくらいの頻度で通院しているのか

・処方されている薬の内容は。薬は誰が、どう飲ませているのか

・他のサービス利用中の様子は(デイやショートステイ等)

・夜間の様子

他にもあると思いますが、こういった情報を積極的に相手に伝えて「ギブアンドテイク」を意識した連携を行いましょう。

②主治医との連携の架け橋になってもらえる

主治医との連携を苦手にしているケアマネは多いと思いますし、僕もこれまであまり関わったことのない主治医と連携する時は「怖い先生だったらどうしよう~」等と考えて苦手意識を感じてしまいます。

そんな時、頼れる訪問看護師がいてくれると「じゃあ、その点について○○先生にこちらから確認してみますね」等と架け橋になってくれることがあります。それに頼りきりでもいけませんが、ちょっとした確認事項等をサポートしてくれるととても助かります。

③ケアマネの負担軽減になる

居宅事業所で24時間対応している所も多いでしょうし、そうでなくても緊急時用ということで、業務時間外でも利用者や家族から連絡が入る携帯電話をもたされているケアマネも多いと思います。

そのような時多いのが「体調や様子がおかしいのだが、どうしたらいい?」という内容です。

しかし、ケアマネがその時にすぐに駆けつけて様子を見れるわけではないですし、駆けつけたとしてもどうするのが一番適切か判断するのが難しいです。

そのような時頼りになるのが訪問看護です。多くの事業所で「24時間対応」ができる体制をとっています。体調不良は夜間や早朝などの時間帯に起きる事も多いのでそのような時間帯に看護師のような医療職に連絡できることは利用者や家族にとっては安心材料になります。

事前に体調不良時や、対応に迷った時の事を想定して訪問看護とケアマネ、利用者や家族がどのような連絡体制にしておくかあらかじめ決めておくといいです。その時ケアマネが分かりやすく、連絡の流れを示すフローチャートなどを作っておくと良いでしょう。

さらに、体調面については先に訪問看護師に連絡してもらい判断を仰ぐようにしたほうが対応が遅れるリスクも下がるので良いと思います。

・次回の受診予定までは様子観察で良いのか

・明日の通常時間帯の受診で良いのか

・すぐに夜間対応の病院に受診するのが良いのか

・救急車で搬送してもらったほうが良いのか

このような判断もケアマネより、普段利用者の状態をよく知る訪問看護師のほうが適切に行なえます。

 

まとめ

今回の記事では訪問看護師について

①訪問看護のサービス内容

②利用方法

③医療保険と介護保険どちらを利用するの?

④訪問看護を利用するメリット

上記内容について書かせてもらいました。訪問看護は在宅での医療を支えるとても頼もしい味方です。是非、訪問看護について詳しく知ってもらい、ケアマネとして支援を共にしてもらうパートナーになってもらいましょう。

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