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モニタリングのエビデンス
まずはモニタリングの定義、そのエビデンスについて改めて確認してみましょう。
介護支援専門員は、居宅サービス計画の作成後、居宅サービス計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む。)を行い、必要に応じて居宅サービス計画の変更、指定居宅サービス事業者等との連絡調整その他の便宜の提供を行うものとする。
引用:指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準 第13条第13号
この文言から一連のケアマネジメントプロセスを踏んでくださいね、と書いてある事が読み取れます。
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アセスメント
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プランニング
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カンファレンス、ケアプラン合意
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モニタリング(モニタリング結果、見直しが必要と判断した場合はアセスメントに戻る)
モニタリングでサービスに関する記録は必要なのか?
モニタリングのエビデンスについて理解できた所で、今回の本題です。
ケアプランの最終目的は、利用者のニーズを満たす事。そのニーズを満たす為に設定された目標を達成する事と言えます。
そして各サービス事業所が提供するサービスというのは、目標達成という大きなゴールに到達する為の具体的な「手段」です。
その手段が適切なのかどうか、仮に適切に機能していない場合は何が原因なのか?そういった事を確認し分析するのがモニタリングを行う目的です。
そう考えた場合にサービスに関する記録はモニタリングでは必須と言えます。
モニタリングは月に1回という、短いスパンで行う性質上、長期目標より短期目標をメインに逆算して各サービス提供状況などを確認する事が多くなります。その時に手段であるサービス提供に関する記録がないという事は、現在の支援が上手く言っているのかそうでないのかの判断すらできないという事になってしまいます。
どうやってサービスに関する状況を確認するのか?
そうです。理屈の上ではサービスに関する記録が必要だと分かっていても、それをケアマネだけでやるのはハッキリ言って不可能です。
ここで思い出してください。モニタリングは全員で協力してやる必要があるというエビデンスを。
なのでサービス提供に関する状況は、各サービス事業所に報告してもらう事をお願いしましょう。
ただしここで注意点があります。
「エビデンスがあるので、必ず毎月ケアマネにサービス提供報告書を提出してください」
こんな感じで高圧的に事業所に頼んでるケアマネはいませんか?これはNGです。
確かにモニタリングは全員で協力してやる必要はあります。しかし、「イコール、毎月報告書をケアマネに出す義務がある」は違います。予防系サービスの場合は義務があるのですが、介護の場合は事業所に義務はありません。
なので、この辺りのやり方については各サービス事業所と相談しながら行うのが現実的な対応になります。
毎月丁寧に報告書を自分の事業所で作成して渡してくれている場合は良いのですが、そうでない場合は考える必要があります。
例えばケアマネ側から様式を作り、それを使って報告をお願いするスタイルです。
この時できるだけ相手が記入に負担のないようにしないと、「ケアマネに余計な仕事を押し付けられた」となりかねません。
ぶっちゃけ必要なのは目標の達成の為の、サービス提供に関する状況だけです。それ以外の情報は無くてもOKです。
(例)
利用サービス:デイサービス
目標達成させる為に、利用中に機能訓練で4点杖での歩行練習を連続で30m実施している
この場合、機能訓練での歩行の様子が知りたいですよね。逆にデイサービスでどんな利用者と仲良く過ごしているかなんて情報はとりあえず必要ないわけです。
安定して歩けているのかどうか。膝折れやフラツキが見られるとしたら、どんな状況下で多いのか?不安定さを減らすにはどうすれば良いのか?
このような場合は歩行の様子に特化した報告に絞れば、サービス事業所側の負担も減らせます。
さらにこのようなアプローチをすることで、サービス事業所側にもどのような事がその利用者にとって大切な支援なのか意識付けにも繋がり、ぼんやりとした支援になるのを予防できます。
サービス事業所による支援とは正に「選択と集中」です。ケアマネ側もサービス事業所側に色々な事を要求するのではなく「この事業所にどんな事をしてほしいのか?」を明確にしておけばお互いにwinwinな関係になるでしょう。
まとめ
結論:必要
方法:目標達成に必要な状況の報告に絞って、各サービス事業所に報告をお願いするのがベター