以前僕は国が国がケアマネの逓減制を緩和させて、結果的に今よりも報酬が増える仕組みを作ろうとしている事をブログで書きました。
詳しくはケアマネの報酬は本当に増えるのか?ちょっと考察してみましたをご参照ください。
そして、先日この逓減制に関してより具体的な情報が出ました。
基本報酬の逓減制について、ICTの活用や事務職員の配置を条件に45件から適用するルールへ変えることを提案。逓減率もメリハリをつける形で見直してはどうかとした(*)。今のところ、45件からの下げ幅をより大きくする案などを検討している。
<中略>
厚労省は今回、現時点で活用が想定されるICTの例として、
○ 関係者間で情報を共有できるチャット機能アプリを備えたスマホ
○ 訪問記録を随時記載できる機能があるアプリを備えたタブレット
などを提示。ケアマネジメントの質が十分に担保されているか、見直し後に効果検証を行う考えも示した。
引用:ケアマネタイムス
僕が考えてたより緩和の範囲は少ないと感じました。正直5人分増えたくらいで、ケアマネの収入が大きく改善するとは言えませんが、急激に増えすぎても質の担保ができなくなるのが目に見えているので慎重になった印象です。
しかしこの程度の譲歩に対して、国は図々しくも緩和する代わりの交換条件とも言える義務をセットにしてきたのです。それがコチラです。
厚生労働省は来年4月の介護報酬改定で、居宅介護支援の事業所の運営基準を見直す方針を固めた。
以下の2点を利用者へ説明することを新たに義務付ける。
○ 前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスの割合
○ 前6ヵ月間に作成したケアプランについて、訪問介護、通所介護、地域密着型通所介護、福祉用具貸与(販売)の各サービスごとの、同一事業者によって提供されたものの割合
2日の社会保障審議会・介護給付費分科会で説明。大筋で了承を得た。新たな運営基準は年度内に示す。公正・中立なケアマネジメントの推進に向けた施策の一環。
会合では委員から、事業所に更なる負担がかかってくることを心配する声もあがった。
厚労省の担当者は、「既に特定事業所集中減算の仕組みがあるので、基本的にデータは取りやすい。ただ事業所の負担には十分配慮していく」と述べた。日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長は、「説明の時期が報酬改定などもある4月に集中すると、事業所の負荷がより大きくなる。何ヵ月かに分けた説明を認めるなど、運用面の配慮を頂きたい」と要請した。
引用:ケアマネタイムス
これを見て、僕が即思ったのは
これ、ケアマネ・利用者どっちにもメリット無くね?
もしこの義務が実施されれば、特定事業所集中減算の集計結果が出る3月と9月に、その時点で居宅に登録がある全利用者に対して集計結果を見せて説明する事になります。
特定事業所集中減算の詳しい内容については居宅のケアマネが絶対知っておきたい「特定事業所集中減算」とは?をご参照ください。
ただでさえモニタリングを月1で全利用者に行うだけでも大変なのに、さらに余計な一手間。
そもそも特定事業所集中減算の詳しい内容なんて、ケアマネくらいしか理解していない。だから集計結果を説明する前に、そもそも今から説明しようとしていることはどういうことなのかを伝えなければいけないわけですが、これがどの程度の利用者に理解が可能なのか?ハッキリ言って理解できない人の方が多いでしょう。
利用者からすれば難しい説明を受け、よく分からん集計表を見せられ「さあ、説明したので私が説明した証拠を残す為、こちらにサインを」と言われ、なんかモヤモヤとしたまま。
ケアマネ側からすれば余計な手間と書類が増える事が目に見えており何のメリットもありません。
この義務の追加は既に決定事項のようですが、ほとんどのケアマネが納得しないでしょう。
この義務を追加した理由が
そもそも利用者から特定事業所集中減算に関する居宅の運営状況の情報を教えてほしいなんてニーズがありますか?少なくとも僕が約10年ケアマネをやってきた中で一度もありません。皆さんはどうですか?
厚労省は現場の負担に配慮するみたいな事言ってますが、実際には1mmも配慮等しようとしない事はこれまでのやり方から想像が容易にできます。なにせ当たり前のように僕達ケアマネにタダ働きでマスクを配布させようとするような人達ですから。
ケアマネへのマスク配布問題に関しては
【閲覧注意】ケアマネのマスク配布依頼、僕達は配達屋じゃない!
こちらをご参照ください。
そして以前から大して期待などしてはいないのですが、ケアマネ協会の無能振りは相変わらずでした。
いやいやいやいや~~~~~~~
そこじゃない!!!!!💢
あなた達が厚労省に言わなければいけないのは
「こんなバカな義務追加は今すぐ止めろ!!」
これでしょ?協会の幹部の大事な仕事は僕達ケアマネ会員の思いを代弁することじゃないの?だったら僕達の伝えてほしいのはこれですけど・・・・・。
よくもまあ、こんな状態で僕達に研修で
「ケアマネは利用者の思いを代弁する役割を果たす事が大事です」
なんて言えますよね。自分達はできない事を講師として人に教えるなんて詐欺みたいなものじゃないでしょうか。
ケアマネの過酷な現場を知らず金のことしか考えていない国と、その国の顔色を伺う事しか考えていないケアマネ協会の幹部。
バカな人達によって、今回の改正もロクでもない内容になりそうです。
僕はこういうバカな人達の言いなりになりたくないです。こういったブログ等も活用して抗議の声を上げていきたいと思います。