僕はこれまでに利用者や家族と信頼関係を築くための技術的なお話
コミュニケーション能力は正しい技術をマスターして身につけよう ケアマネに必須の相談面接技術とは
ここでもお話しましたが、なかなか実践で使うことができないという人も多いです。その理由に
・そもそもコミュニケーションが苦手
・色々考えたり、やらないといけない事がありそれどころではない(余裕がない)
・苦手な利用者や家族の前だと緊張して、そんな技法を使っているどころではない
こんな感じの背景要因から、コミュニケーション技法を使いたくてもなかなかそこまでできない方も多いです。
しかし、ケアマネとして質の高い支援をするためには、どこかで今よりもレベルを上げる必要もあります。ただ技法を使ったとしても、使い方が悪かったりすると効果が出ず「やっても意味ない」と諦めてしまうと成長はなくなります。
しかし。これは誰にでもできて、実行すれば確実に利用者や家族との信頼関係を激的に改善する方法です。その方法とは
会う回数を増やす
たったこれだけです。「ハァ?それだけで変わるわけないでしょ」と思う人もいるでしょうから説明します。
ザイオンス効果(単純接触効果)
なぜ合う回数を増やすのか?それは心理学的に、人は何度も接触を繰り返す相手に好意的な感情をもちやすくなるからです。それを「ザイオンス効果(単純接触効果)」といいます。
例えばですが、年に何回かしか会えない遠距離恋愛中の相手よりも、毎日顔を合わせる身近で素敵な異性のほうに惹かれたりするのはこの効果のためです。
皆さんも最初は苦手だった人も、何回もコミュニケーションを重ねていくうちにいつの間にか仲良くなっていたなんて経験はありませんか?
どうすれば合う回数を増やせるのか
もし信頼関係を深めたい相手が利用者であるなら簡単です。サービス利用場面を直接見に行きましょう。訪問介護によるヘルパーさんのサービス中、デイサービスの利用中、ショートステイの利用中等です。ケアマネとしてサービス提供が計画に沿って実施されているかどうか確認するのは自然なことです。
家族の場合ですが、月1回のモニタリング訪問だけでは回数は増やせません。制度の変更時や、新しいサービスなどが地域で作られた時に情報提供に行ったりします。一番簡単なのはデイサービスやショートステイの送迎時に事業所と一緒に行って(自分が所属する法人の事業所だと行きやすい)「送迎のお手伝いに来ました」とでも言って会ってもいいと思います。
この時まだ関係性ができていない時点では、無理に何か長い会話をしようとしなくても良いです。
「今日は暑い(寒い)ですね」
「季節の変わり目になってきましたが、体調変わりありませんか?」
「(年末や年度替わり等)今は皆忙しい時期で大変ですよね」
「何か介護の事で分からないこと等、いつでも相談してくださいね」
この程度の声掛けで十分です。いつも同じような声掛けの内容になっても構いません。大事なのは会って、短くてもコミュニケーションを取ることのほうが遥かに重要だからです。
最初は「別に変わりありません」「特に何もありません」等素っ気ない反応だと思いますが、これを粘り強く繰り返すことで確実に相手はあなたの事を信頼していきます。そうしてあなたの事を信頼してくれた時に初めて「実は○○な事で困っているんです」と相談をしてくれます。
まとめ
利用者や家族との信頼関係を築くためには「会う回数を増やす」です。
僕も2年くらい、まったく素っ気ない反応しかしてくれない家族がいましたが何回も会って短い会話をしていくうちに少しずつ信頼関係が築けた経験があります。
これは誰にでもできる方法ですが、ケアマネとして本気で相手と信頼関係を築きたいと思えていないと行動できません。もし、皆さんの中で信頼関係が築けていない人がいるなら今日から少しずつ実際にやってもらえればと思います。