「ケアプランって結局どうやって作るのがいいの??」
こんな悩みを持つケアマネジャーの方多いんじゃないでしょうか?
僕もケアマネジャーになってしばらくの間、なにが一番苦手な業務だったかと言うと「ケアプラン作成」でした。
これって料理人が「自分の一番苦手な仕事は料理することです」って言っているくらい滑稽ですよね。でも明確な正解が見えない業務ということもあって「これでいいんだろうか・・・」等不安な気持ちを抱えながら作っていた記憶があります。
昔の僕と同じように「ケアプラン作れん~」と悩んでいる人の参考になるように作成方法の基本をまとめてみました。
ケアプラン第1表の作成
最初に利用者や家族の意向を記入。
利用者や家族に明確に「~いう暮らしをしたい」など希望がはっきりしている場合は書きやすいがなかなか希望が出ないことも多いです。
その場合「○○な生活がしたいと思いますか」と聞いてみる。また認知症などで本人が意思表示できない場合は、家族に本人がどう思っていると思うか聞いてそれを本人の意向として出すなど工夫して表記します。
意向ができたら総合的な方針です。
ここで書く内容なんですが、簡単にまとめると支援チームの皆が「○○さんのこういう希望を叶える為に私達 はこういう方向性で支援します」といった総括的な方針を記入します。
よくある間違いとして訪問介護が掃除をします、通所介護で入浴と機能訓練をします・・・等各事業所が行う支援について書く場所ではないことは知っておいてください。
この欄によく緊急連絡先が当然のように書かれていますが、これは全ての利用者に対して書く必要はありません。緊急時の対応が予測されるケースのみ記入しておくといいです。
書く時は主治医とその病院名と連絡先、家族の緊急時に連絡を入れる人の名前と電話番号を記入しておきます。
ケアプラン第2表の作成
①ニーズの作成
アセスメントで抽出したニーズを記入します。CMのアセスメントの結果優先順位が高いものほど上になるよう作っていきます。
よくありがちなのが医療ニーズがどのケースも一番上になっているというパターンです。医療ニーズが高いかどうかはケースによって異なるため画一的な考えにならないようにしてください。
表現の方法として「~したい」と書くことが教科書や研修等でも推奨されていますが、必ずそう表現する必要はありません。
「○○で困っている」「病気の為○○する必要がある」「○○ができるようになる」など利用者の 状態や意欲の度合いに応じて表現を柔軟に変えたほうが、よりその人の想いに沿ったニーズになります。
②長期、短期目標設定
ニーズを満たすための目標設定を行います。長期目標は最終的にニーズを満たすゴール設定、短期目標は長期目標を達成するための段階的な具体的目標とする。
例:ニーズが「自分でトイレで排泄したい」。
長期目標「一人でトイレに行ける」
短期目標 「自力でベッドから起きて立つことができる」
目標期間はありがちなのが有効期間1年の人に対して長期1年、短期半年。 ただこの目標はニーズや目標の内容、利用者の状態像などによって柔軟に考えるべきです。比較的早めに目標が達成できそうであればその見込み期間を目標期間と設定するといいです。
③援助内容の作成
援助内容は「短期目標」を達成させる為の内容を各担当者毎に設定する。この時セルフケアの視点からできるだけ利用者や家族にはどういった事をしてもらいたいか設定すると事業者任せや依存する支援になりにくいです。
サービス事業所に依頼する内容はあまり細かく書く必要はないです。(例:デイに機能訓練を依頼したいなら機能訓練と書くだけでいいです。ここで平行棒1日5往復など書く必要はなく、それは各事業所の個別援助計画で作成すべき内容です。具体的内容に関してはサービス担当者会議で話し合いをし、その結果を会議録に残せばいいです)
介護給付に関係ない医療保険系サービスやインフォーマルサービスも短期目標を達成する為に必要であれば記入してください。 ここで一つあまり認識されていないポイントをお伝えします。実は福祉用具貸与、福祉用具販売をケアプランに設定する場合は、それが必要な理由をどこかに記載する必要があります。そのためニーズやサービス内容の欄等に記入をしておいでください。
ケアプラン第3表の作成
週間計画の作成です。1週間のサービスや支援予定をより具体的に決めるものになります。何曜日の何時から何時まで何をするか利用者や家族、関係者とあらかじめ話し合ってある程度決めておきます。
介護保険サービスだけでなく家族のセルフケアの予定などが定期的に決まっているのであればここに記載しておいてください。
この第3表の週間計画は、本人や家族に自分達の生活のスケジュールを説明するときにはとてお役に立ちますので気合入れて作ってみてくださいね。