ケアマネのオンラインモニタリングルールに異議あり!

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ケアマネのオンラインモニタリングルールに異議あり! ニュース

2024介護保険改正に関する情報が次々舞い込んできていますね。

そんな中でケアマネとして注目している改正の一つに「ケアマネのオンラインモニタリングを可能にする案」が出ている事です。

ケアマネにとってモニタリングは必要な業務であると同時に、毎月利用者の自宅を訪問しなければいけないことが負担にもなっています。その為オンラインでのモニタリングが認められる事自体は歓迎できる事です。

 

しかし、この「モニタリングのルールについて納得できない。異議を申し立てたい!」というのが僕の主張です。

 

ではまず、今回のオンラインモニタリングを行ううえで提案されているルールについて見ていきましょう。

①利用者の同意を得ること
②サービス担当者会議などで、主治医、サービス事業者などから以下の合意が得られていること
・利用者の状態が安定していること(主治医の所見なども踏まえ、頻繁なプラン変更が想定されないなど)
・利用者がテレビ電話装置などを介して意思表示できること(家族のサポートがある場合も含む)
・テレビ電話装置などを活用したモニタリングでは収集できない情報は、他のサービス事業者との連携により情報を収集すること(情報連携シートなどの様式を用いた情報連携の仕組みを想定)
③少なくとも2月に1回(介護予防支援の場合は6月に1回)は利用者の居宅を訪問すること

2023年11月6日 社会保障審議会での厚労省(案)

 

このルールについて僕が納得できない事についてまとめてみます。

音声で聴きたい方はコチラから

①なぜ主治医やサービス事業者の同意が必要なのか?

当たり前ですがモニタリングはケアマネの仕事です。そのモニタリングをオンラインでやるかどうか?

利用者や家族の同意がいるのは理解できます。高齢者世代でICTに対して抵抗感が強い人はまだまだ多いですし、利用する事への不安がある人も多いでしょう。ですからクライエントの同意が必要なのは当たり前です。

 

しかし逆に言えば、それ以外の同意が必要な理由は無いのではないでしょうか?

このルールでは主治医やサービス事業者などからも合意がないとオンラインモニタリングできないのです。

つまりオンラインモニタリングには支援チームのメンバー全員の同意が必要というわけです。その理由が

 

この人がオンラインで必要なモニタリングが可能かどうか?その評価を適切にする必要があるから

 

 

一見するとそれらしい理由に見えます。しかしここで冷静に考えたいのが

 

「その評価(オンラインモニタリングが可能かどうか?)はケアマネがやったので良くない?」

 

これです。オンラインで大丈夫かどうか?その評価はケアマネがアセスメントなどで行えば十分ではないでしょうか?さらに言えば主治医やサービス事業者に適切に評価できる理由はないはずです。

なぜなら彼らはケアマネではありません。ケアマネがどんな意図をもってモニタリングしているのか知らないのです。それなのにどうして適切に評価できるのでしょう?

 

これ、僕達が主治医から

〇〇さん(利用者)ですが、本日△△を理由に受診されました。私の判断として□□の処置とお薬の使用が適切と判断しました。ケアマネとしてこの件についてどのように思いますか?

こんな風に判断や評価を求められても困ります。なぜならそれが適切なのかどうか?判断できるだけの専門性も経験も無いからです。これと同じ状況と言えます。

 

 

逆にオンラインモニタリングに同意した場合、情報連携シートなどの様式を用いた情報連携をする事がセットになっています。自分達の手間が増えるのを嫌って

〇〇さんはオンラインモニタリングに適した方ではないと思います。ちゃんと毎月自宅訪問したほうが良いのではないでしょうか?

このように不適切に同意を拒む事業者が現れないとも限りません。これではオンライン化は進まず、ケアマネの負担軽減に繋がらないのではないでしょうか?

②2ヶ月に1回の訪問では根本的な負担軽減にならないのでは?

②2ヶ月に1回の訪問では根本的な負担軽減にならないのでは?

上記のような苦労を乗り越えてオンラインモニタリングができるようになったとしても、要介護の場合は2ヶ月に1回は自宅訪問しないといけません。

ハッキリ言います。

 

「2ヶ月に1回って、あんまり減って無いじゃん!」

 

2ヶ月に1回って多くないですか?確かに毎月行くよりは負担減るけど、それでも2ヶ月に1回は多い。40人担当利用者がいたら20人分は回らないといけない計算ですからね。

このルールは人手不足が深刻化しているケアマネの負担を軽減して、離職を予防して長く働いてもらう事が目的のはずです。それなのに大した負担軽減になっていないのでは意味がないのでは?

 

とはいえ「自宅訪問の頻度はケアマネが判断して良い」みたいに急にするのも僕としては反対です。

なぜならこのルールを良い事に、全くモニタリング訪問しなくなるケアマネが必ず一定数出てくる事が予測されるからです。

モニタリングは直接訪問する事で、オンラインでは得られない様々な情報を知る機会になります。その大切さはケアマネであれば皆知っています。

 

ですから最初は一定の頻度を示すのも大切です。まずは現在の予防の頻度でもある3ヶ月に1回を目安にしてはどうでしょうか?

3ヶ月に1回であれば、担当利用者が40人でも、月あたりの訪問数は13~14件程度。月後半の2週間程度で終わらせると考えても1日1~2件ペースでこなせば良いので、余裕をもってやれそうです。

2ヶ月に1回は多い。せめて3ヶ月に1回程度にしてほしい。これが僕の主張です。

まとめ

オンラインモニタリングのルールに異議アリ!

①なぜ主治医やサービス事業者の同意が必要なのか?
②2ヶ月に1回の訪問では、負担軽減にならない
これからの時代は介護業界であっても、ICTを活用して効率化を図る事で、質を担保しつつも少ない人手で業務を行っていく必要があります。
しかしこのルール改正では、効率化も負担軽減にもなっていない。ただのパフォーマンスにしか見えないという印象です。
このルール改正がこのまま押し通される事がないよう、僕はこの記事を通して異議を申し立てます!

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