この記事はこんな人にオススメ
家族アセスメントの4つの視点
視点①家族の健康状態
- 現在の健康状態
- 既往歴
- 現病の治療内容や状況
- 家族へのサポート状況
- 本人の病気への理解度
家族の健康状態や治療状況によって作成するケアプランの内容は大きく変わります。家族が倒れると即在宅介護が成り立たなくなるケースもたくさんあり、その場合どうするかも事前に考えておく必要があります。
家族が病気をしている場合、適切なサポートが受けられているかも確認が必要です。そのような社会資源が適切に利用できていない場合、本人の年金等から自分の治療費に当てて、結果として本人が適切な支援が受けられない事もよくあります。
また本人の病気への理解度も確認が必要です。疾患への知識が不足していると骨折して車椅子の利用者に対しても
「以前のように自分で歩いてトイレにも行ってもらいたい。でないと帰ってもらうことはできない」
視点②家族の仕事
家族が仕事をしている場合、どのような仕事をしているのか知るのはとても大切です。何故ならそれにより、どの程度本人の介護に協力してもらえるのかが把握できるからです。
以下のような内容の把握に努めましょう。
- 職種
- 雇用形態
- 就労時間
- 経済状況
- 自宅から職場までの距離
- 仕事に対する思い
職種によって大体の賃金や労働時間、労働形態(夜勤の有無等)が分かります。また正規雇用なのか、そうでないのかでも仕事にかけなければいけない時間や労力が異なります。
家族の仕事状況というのは、本人のケアプランを考える上でかなり大きな影響を与えますので、可能な範囲で詳細に把握する必要があります。
また家族の中には仕事を辞めて介護に専念しようかどうか迷っている人もいます。この場合本当に仕事を辞めなければならないのか、辞めずに続ける方法はないのか、利用できる社会資源にどんなものがあるのか、等ケアマネとして一緒に考え、必要に応じて情報提供などのサポートも必要になってきます。
視点③本人と家族の関係性
本人と家族の関係を考える時、生活歴をそれぞれから聞き取る事で、同じ話しで合っても捉え方が異なる場合があります。
例えば家業を子どもが引き継いだ場合、引き継いだ親は肯定的に捉えていても、子どもは実は他にやりたい仕事があったが、親の強い思いに押されて渋々継いだという場合は否定的な捉え方をしている場合もあります。
確認しておくべき事として
- 本人と家族の関係性(良いのか悪いのか等)
- 現在の交流状況
- 互いの影響力
このくらいは確認しておくと良いでしょう。例えば母親とは仲が良いが、父親に対しては否定的な感情を持っている場合、母親が亡くなり父親だけになれば、家族への協力を期待するのは難しくなります。
反対に「8050問題」に代表されるように、引きこもりの子どもが親の年金で生活しており、結果として本人が自分の為にお金が使えない事もあります。
このような本人と家族の関係性を把握することで、支援の方向性が今後の予測等ができるようになります。
視点④家族の思い
- 現在の生活について、どのように考えているか
- 介護に対する考え方
- 将来への期待や不安