ケアマネの皆さん。予防(要支援1・2)の人と介護(要介護1~5)の人の業務処理と違いに戸惑ったことはありませんか?僕は初心者の頃、戸惑うどころかその違いにほぼ迷走していました😅
「要支援は毎月モニタリングしなくてもいいよ」
「利用票や提供票は毎月渡さなくてもいい」
「ショートステイ使ったら、書類とかややこしい事になるよ」
こんな、要介護のケアマネジメントからしたら「本当にそんな感じなの?」と疑いたくなうな情報が溢れていました。そこで今回は予防と介護のケアマネ業務の違いを紹介します。
予防と介護のケアマネ業務の違い
①モニタリング
担当職員は第十三号に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」を言う。)にあたっては、利用者及びその家族、指定介護予防サービス事業所等との連絡を継続的に行なうこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行なわなければならない。
イ 少なくともサービスの提供を開始する月の翌月から起算して3ヶ月に1回及びサービスの評価期間が終了する月並びに利用者の状況に著しい変化があったときは、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接すること。
ロ 利用者の居宅を訪問しない月においては、可能な限り、指定介護予防通所介護事業所(指定介護予防サービス等基準第97条第1項に規定する指定介護予防事業所をいう。)又は指定介護予防通所リハビリテーション事業所(指定介護予防サービス等基準第117条第1項に規定する指定介護予防通所リハビリテーション事業所をいう。)を訪問する等の方法により利用者に面接するよう努めるとともに、当該面接ができない場合にあっては、電話等により利用者との連絡を実施すること。
ハ 少なくとも1月に1回、モニタリングの結果を記録すること。
引用:指定介護予防支援等(人員及び運営等の基準) 第4章 第30条 一五
予防のモニタリングに関する根拠がこれです。つまり
・自宅訪問しなくても月に1回は電話などで状況確認し、モニタリングの記録は残す
介護の場合は月に1回自宅訪問が義務付けられているのに比べると、予防のモニタリングは緩いルールになっています。
ただし毎月自宅訪問してはいけないという内容ではありません。更新申請の度に要支援になったり、要介護になったりする場合は毎月自宅訪問しても良いと思います。
そうでないと利用者から「あのケアマネは毎月来たかと思えば、要支援になった途端来なくなった」みたいに言われるかもしれません。
②利用・提供票の交付
要介護の場合、毎月利用票を利用者に見せて、了解が得られたら確認印をもらって交付。そして全てのサービス事業所に提供票を交付していますよね。しかし予防は異なります。簡単に言うと
です。それ以外のタイミングでは利用票の交付も、提供票の交付も必要ありません。
これ、要介護の居宅業務の感覚だとちょっと信じられないようなルールです。
毎月利用者に利用票を見せて、確認印をもらう必要もありません。ここでこんな疑問があると思います。
「じゃあ、サービスの利用予定はどうやって決めるの?」ということです。
予防の場合、ケアマネが「○○さんは訪問介護の利用を月、木曜日の週2回程度でお願いします」と依頼します。そうした場合、細かな利用予定は利用者とサービス事業所で決めて良いことになっています。
週2回程度の場合は基本は月8回程度が基準です。しかし実際には曜日だけで固定すると月に9回等、基準回数をオーバーします。
もちろん9回サービス提供しても良いのですが、多くの事業所がそれでは採算が取れないので余程の事情がない限り基準回数をオーバーしてサービス提供することはありません。
つまり「どこかでサービスを提供しない日」というのもできていしまいます。その日を具体的にどこにするかというのは、利用者とサービス事業所で決めます。
しかしここで覚えておいてほしいことがあります。予防訪問看護等、月額定額サービス以外のサービスについては
サービス提供月に、提供票をサービス事業所に発行する
これが月額定額サービス事業所と、そうでない事業所の違いです。あくまで対象事業所に提供票を発行するだけで、利用者に利用票を発行する義務はありません。
③ショートステイを使った月は、月額定額サービスは日割り計算になる
そのまんまですが、要支援の人がショートステイを利用するとその月は月額定額サービスは日割り計算になります。どういうことかと言うと、月額定額の単位数を30.4で割って、1日あたりの単位数をはじきだし、ショートステイ利用数を引いた日数で改めて金額を出し直します。
(例)介護予防訪問介護(Ⅱ)の場合
この月にショートステイを6日間利用した場合。1月の日数が30日だった場合
80✕(30-6)=1920単位/月
これがこの月の予防訪問介護の単位数になります。ショートステイを使うと、月額定額サービスは請求額が少なくなってしまうのです。
なんかややこしい・・・。大丈夫です。こんな計算を自分でしなくてもほとんどの介護ソフトが日割り計算を自動でやってくれます。ただ、どういった計算式で数字がはじきだされるのかは知っておいたほうがいいと思います。
そしてショートステイを使った月で覚えておいてほしいのは
利用票は利用者本人に確認印をもらって発行。ショートステイ事業所を含めた全てのサービス事業所に提供票を発行する義務がある
です。ここまで散々、予防は利用票や提供票の発行を介護に比べると省けると説明してきましたが、ショートステイを使った場合は例外で、介護と同じ対応が必要と覚えておくといいでしょう。
まとめ
予防と介護のケアマネ業務の大きな違いは
②月額定額サービスのみの利用なら(予防訪問介護、予防通所介護、予防通所リハビリ)利用票と提供票の発行は初回・更新・変更時のみでよい
③ショートステイを利用すると、月額定額サービスの単位数は日割りになる
こんな感じです。予防は他にも基本チェックリストの作成等、細かく言うと介護にはない業務がありますが、今回は割愛させていただきます。ひとまず今回紹介した3つのポイントは、介護のケアマネジメントしかしたことない人だと戸惑うところだと思いますので覚えておいてください。
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