新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、名古屋市は6日、同市緑区と、隣接する南区にある通所介護(デイサービス)施設計126カ所に対し、7日から2週間の休業を要請しました。
これを受け、厚労省からケアマネを中心に代替サービスで利用者の支援に当たれと通知が出ました。
名古屋市が市内の通所介護など126の事業所に休業を要請したことを受けて、厚生労働省は6日、現場の留意点を改めてまとめた通知を出した。
休業している事業所から訪問サービスを実施するなど、居宅のケアマネジャーを中心に必要な介護の代替策を検討するよう呼びかけている。事業所やケアマネには保健所とも連携し、利用者に対処方針などをなるべく丁寧に説明することも求めている。
引用:JOINT 介護のニュースサイト
そう言われてもよく分からないと思うので、通知内容をまとめてみます。
- 休業する通所介護や通所リハが、休業する代わりに普段やっていない訪問サービスが可能
- 請求は提供時間に応じて、通常のサービスコードで可能。
- 実際のサービス提供時間が、通常の最低時間より短い場合は、一番短いモノで請求が可能(通所介護なら2時間以上3時間未満、通所リハなら1時間以上2時間未満)
- 提供時間の上限は、通常のサービスコードで提供できる最大時間まで
では、普段通いのサービスをやっている事業所で、どんな訪問サービスによるニーズがあるのか?
僕がパッと思いつくものとしては以下のような内容です。
②食事介助(胃ろう等の経管栄養含む)
③運動
①入浴介助
まず通所系サービスが休業して最も困るのがこの入浴支援でしょう。
最近の流れとして、できるだけ在宅の人は自宅で入浴できるように支援しようという考えが増えてはきてますが、現実にはまだまだ通所系サービスに入浴を頼っている人達の方が多いです。
そこで休業中は自宅で入浴支援に当たれるよう、ケアマネにはその調整が求められます。
まず、環境を整える事で自宅で入浴ができる可能性がある人は早急に担当者会議を行って、支援ができる体制を構築します。
一方で、状態的にストレッチャー等の機械浴でないと入浴できない人は自宅では入浴できません。
この場合は訪問入浴介護で代替えに当たると思いますが、訪問入浴介護を提供している事業所というのは、通所系に比べるとそこまで多くありません。
その為、提供を断られる人も出てくる事も考えられます。その場合が悩ましく、現状でできる事は訪問して清拭や洗髪、足浴といったものに限られてきます。それだけのケアで2週間もの期間、清潔が保てるかという心配は残ります。
②食事介助(胃ろう等の経管栄養含む)
働いている家族と同居している場合等は昼食と、昼食時の服薬等を通所系に頼っている人達も多いので、ここもニーズがありそうです。
単純に訪問して食事介助をしたり、経管栄養をすること自体はそれ程難しくないと思います。
食事の用意に関しても、家族が用意しておくのか、配食を利用するのか、或いは通所系事業所が普段提供している食事をお弁当に形態を変えて訪問時に届けるのか。やり方は幾つかあると思います。
③運動
通所系に通う事で、引きこもりがちになって身体機能を防ごうという目的で利用している人も多いので、ここもニーズがあるでしょう。
通所リハ等であれば、リハビリスタッフが訪問して自宅内でできるリハビリプログラムを行うことは休業中にADLを低下するのを予防するのに効果が期待できそうです。
通所介護でも、機能訓練士を中心に訪問して運動を実施することができると思います。
今回名古屋市の通所介護休業中の対応は、全国に波及する可能性があります。
自分の所は関係ないと思わず、「自分達の所が休業になった時、どのような対応をするか?」という事を今の内に考えておいたほうが良いでしょう。